episode 32 ページ33
月『ふっかは、私と幼馴染なのが嫌？』
質問を投げかけたAの声が震えているように、そして何かを期待するように聞こえた。もしかして、と俺も期待してしまう。
心臓の音、向こうにも聞こえてるんじゃないか。向こうの心臓の音も聞こえてしまうんじゃないか。それくらいの静寂だった。
深「…嫌じゃないよ、むしろAで良かった」
月『、そっか』
Aの期待していた回答はこれじゃない。”俺はAと幼馴染以上になりたい”って、言えよ俺。Aも同じ気持ちでいてくれてるかもしれないのに。
幼馴染という壁を乗り越えたあと、芸能人という壁が立ちはだかる。俺はAの手を取っていい存在なのだろうか、本当に幸せに出来るのだろうか。
メンバーと全てを守ると約束した。でもそれは非現実的な話なんじゃないか？
月『ごめんね、突然電話して』
深「や、全然。むしろありがとう」
じゃあおやすみ、とAが言った。終わってしまう。また暫く話せなくなってしまう。
深「、待って」
気づいたらそう声をかけていた、また感情で動いてる。Aは何？と不思議そう。待ってもらったところで何も手札はない。俺はとっさに思いついたことを言う。
深「、一人暮らし、どうなった？」
月『あぁ、決まったよ。2週間後に引越し』
深「えっ早くね？」
咄嗟に思いついたことだったけど思わぬ返答に驚いてしまう。俺と喧嘩してる間そんなにことが進んでいたのか…
月『夏菜と早めに決めちゃった』
深「場所は？」
月『夏菜の家の近く』
言われた住所はもちろん都内、しっかりとしたセキュリティの場所なんだとか。そりゃそうだ、Aの両親が一人暮らしを許す場所はちゃんとした場所だろう。でも俺が住む場所とは少し遠い。近かったらなんだって話だけど。
深「じゃあもう実家行ってもいないのか」
月『まあそうなるね』
一人暮らしして欲しくなかったな、実家にいてくれたら簡単に会いに行けたのに。あと一人暮らしだと彼氏とか、連れてこれるし。
月『聞きたいことはそれだけ？』
深「あ、うん。引き止めてごめん」
月『ううん、大丈夫』
こんどこそおやすみ、と言って電話が切れる。無機質な音を繰り返すスマホ、暫く切れずにいた。
幼馴染のはずなのに遠い。どんどん知らないAになってしまう。そうなる前に引き止めたいのに。
深「好きだ…」
ワンチャン聞こえてねぇかな、なんて有り得ないことを考えながら俺は通話終了ボタンを押した。
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みん(プロフ) - 杏奈さん» コメントありがとうございます！ライバルは迷いましたがこの2人の障害は関係性だけにしたかったのでなくしました！笑 次の作品は甘々の翔太くんなのでぜひよろしくお願いします！ (2020年9月8日 2時) (
レス) id: c2c6a86059 (このIDを非表示/違反報告)
杏奈(プロフ) - 完結おめでとうございます！！リアコのふっかさん、やばかったです笑。恋のライバルが登場しなかったので私の心も平和に終わりました笑。幼馴染みほしーと思いながら読ませて頂きました！次の翔太くんの作品も楽しませて頂きます！本当にお疲れ様でした！ (2020年9月7日 20時) (レス) id: aadbdb729c (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - こちらこそ本当にありがとうございました。私の下手な説明から作品してくださって感謝しています。 (2020年9月6日 12時) (レス) id: c8f17d7735 (このIDを非表示/違反報告)
みん(プロフ) - ななさん» コメントありがとうございます！そう言っていただけて光栄です(;_;)なな様が提案してくださったおかげでできた作品なのでとても感謝しています<(_ _)>最後まで読んでくださり本当にありがとうございました！ (2020年9月6日 12時) (レス) id: c2c6a86059 (このIDを非表示/違反報告)
なな(プロフ) - 凄く内容よかったです！胸きゅん量あまり少なくてすいませんって作者さん言うってますが全然読んでてキュンキュンしました。本当に文章読みやすかったですありがとうございました。 (2020年9月6日 11時) (レス) id: c8f17d7735 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：みん
| 作成日時：2020年8月28日 1時
