Q.恋人にするなら誰を選びますか？

Orange ⇒ Sky blue* ページ38

成「康二、これ見て」


俺とふたりの仕事、Aは楽屋に入るや否や先に来ていた俺に自分の着ている服を見せつけるように胸を張った。


向「お！それこないだ選んだやつやん！」
成「そう、買ってきちゃった」


少し前にAが色を相談してきたTシャツ、オフの日に買いに行ったらしい。そんでちゃんとあの時選んだ色のものを選んでいた。


成「やっぱ康二のセンスは正しかった」


試着してやっぱりこれだってなったよ、と笑うA。俺と居ない時も俺のことを思い出してくれてんの、嬉しいなぁ。

俺の隣に座って今日の撮影さ、と話しているA。正直俺の頭にその話は入ってこなくて、自分の手をAの手に重ねて握ると話は止まり、こちらを向いた。


成「どうしたの？」
向「んーん、好きやなぁ思って」


俺の言葉に照れんのも、それを隠してるつもりで隠せてないのも、全部好きやで。それは君に伝わっとるやろか。


向「A、好き」
成「、うん」
向「ほんまに好きやの。信じてくれる？」
成「信じるよ」


康二は私に嘘つかないでしょ、と言われてお手上げ状態。どこまで俺を引きずり込めば気が済むんやろ。もう一生Aの沼から抜け出せへんよ。でも、必ずしも自分が望む未来に行き着くとは限らへん。


向「Aが幸せになる未来なら、なんでもええねん」


手を強く握るとAは黙って俺を見つめる。その瞳も小さな手も全部、今すぐ俺のもんにしたいけど、そんなことしたらAを傷つけるだけ。


向「確かに自分を選んでほしいねん、けど…」


幸せになって欲しいから、と続けたかった。でも言えなかった。俺以外を選ぶ君なんて本当は見たくないから。最低やね、俺。


成「…康二、私ちゃんと選ぶよ」
向「ん、ありがとう」


泣いてしまいそうな俺を慰めるように手を握り返したA。そういう優しいところ、ずっと変わらへんよね。

俺が関西にいた頃からの仲やけど、俺実は遠距離片思い歴長いねんで？言うてへんけど結構ずっと片思いしててん、だからSnow Manに入るってなった時複雑やった。同じグループは嬉しい、でも同じグループになったらより付き合うなんて考えられんくなる。

君のそばにいられるならと、恋愛を諦めてSnow Manに入った。やけど今はこの状況。人生何があるかわからへんよね。



ーー きっとこれからも、変わらず君だけを。ーー

Green ⇒ Sky blue*→←Yellow ⇒ Sky blue*

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す