夕焼けに染まる (ページ24)

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第23話ページ24

放課後、いつもならすぐ図書室に行くか本を読み出す私がぼーっと外を眺めている。

教室で待っててと言われたから待ってるけど、どこに移動するんだろうか。

目黒くんが話す話…きっと、私の予想しているもの。

私はなんて返せばいいの、どうすれば1番傷付けないの。

グルグルと頭を抱える私に誰かがトントンと机を叩く。

振り返ると向井くんがオレンジ味のジュースを持ってたっていた。

康二「これ、たまに飲んでへん？」

A「飲んでる…」

私がたまに自動販売機で買ってくるオレンジジュース、覚えてくれてたの…？

康二「糖分取って早く寝る！これに限るで！」

プレゼントや！といつもの明るい笑顔。

朝少し素っ気なくしちゃったのに、なんでこんなに優しいの？

その笑顔大好きなんだよ、いつの間にか、私の特別になってたんだよ。

言いたい、言えない、気持ちが涙になって溢れそうだ。

目黒「A、ごめん遅くなった」

ハッと廊下の方を見るとカバンを持った目黒くん。

何も考えてなかった、どうしよう、傷つけたくないって思ってたのに。

目黒くんは私の前までずんずん歩いてくる。

向井くんと目黒くんが向かい合った、私はどうしていいか分からずオレンジジュースを握る。

康二「めめ…」

目黒「康二、お願いがある」

お願いって…？私も向井くんも分からず首を傾げる。

目黒「あとで連絡するから、教室で見て」

康二「え？どういう…」

目黒「行こ、A」

A「え、」

オレンジジュースを持っていない方の手を取られ私は引かれるがまま向井くんの横を通り過ぎる。

康二「お、おい！」

振り向くと悲しそうな、少し怒ったような表情で。

なんで、という言葉は喉元で飲み込んだ。