夕焼けに染まる (ページ22)

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第21話ページ22

重い足取りで教室に向かう次の日の朝。

いつもより家を出るのが遅くなってしまった、髪型も気にしてられなくてひとつに結んできた。

どうしよう、昨日行けなかった分図書室行こうと思ってたけど目黒くんにあったら…

とぼとぼと教室に入ると私の隣の席の人はもう来ていた。

私の方が遅いの初めてかも、なんて考えながら席につく。

康二「おはよう！Aのが遅いの珍しいね」

A「おはよ、寝坊しちゃった」

嘘、寝坊なんかしてない。

むしろ全然寝れなかった、クマができてないことが奇跡。

康二「遅くまで本読んでたん？」

A「あー、うん、そんなところ」

早くこの話題を終わらせたくて適当な返事をしてしまう。

自分勝手だよね、最低だな私。

タイミングよく朝のチャイムがなって先生が入ってくる。

先生の話も頭に入ってこない、ぼーっと外を見つめていた。

好きって楽しいばかりだと思ってた、浮かれてたんだな私。

人を好きになるってこんなに苦しいんだ、やっぱり人との関わりなんて要らなかったんじゃ…

…それは違う、向井くんが照らしてくれた私の世界は間違ってない。

でも、でも少しだけ、この苦しさを取り除く理由が欲しくてそんなことを考えてしまう。

康二「A！！」

向井くんに呼ばれて我に返る。

周りを見るとみんな席を立って移動していた。

康二「次移動教室やで？」

A「あ、そうだよね、ごめん」

急いで教科書を出して立ち上がる。

そんな私を見て心配そうな向井くん。

康二「大丈夫？体調悪いんやったら…」

A「ううん、大丈夫」

私が本当はくよくよしてちゃいけないの、1番辛いのは私じゃないから。

そう言い聞かせてはいるものの気が滅入ってしまう。