黎明Ⅱ (ページ10)

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37話ページ10

流星side

あれから、望の口からクラスの友達の話がたまに出てくるようになった

神ちゃんの友達100人大作戦はそこそこ順調なんかもな(笑)

―ガラガラ―

医者「流星君、ちょっと」

ある日、病室に入ってきた担当医に呼ばれて面談室に向かった

医者「ここ、入って」

―ガラガラ―

流星「失礼し…っ母さん」

面談室には、先に久しぶりに会う母さんがおった

嫌な予感はしてた

わざわざ面談室に呼ぶなんて、家族も交えなアカンくらい、大事な話なんやろうなって

その予感は、やっぱり当たってたらしい

医者「先日、改めて精密検査を行った結果、やはり流星君の腫瘍は大きく悪化していると言えます」

藤井母「っ…」

医者「流星君も、心当たりあったんやない？」

流星「…そう、ですね」

最近、前は大丈夫やったのにちょっと歩いたり体起こしただけで、胸に違和感を覚える事が多くなった

そんなの、とっくに気づいとったけど…気づいてへんふりしてた

医者「それでですね、私から１つご提案がございまして」

藤井母「提案…？」

医者「東京の病院に、転院しませんか？」

流星「えっ…？」

想像してなかった言葉に驚きが隠せない俺達を他所に、パンフレットを手渡される

流星「補助人口心臓？」

耳にした事の無い単語が書かれた表紙を平坦に読み上げる

医者「はい、心臓移植までの間、人口的な心臓を取り付けて命を繋ぐ機械です
ですが、その手術が出来る人間が、ここにはいません」

藤井母「これを使えば流星は、息子は助かるんですか!?」

医者「成功すれば、ごく普通の生活を送れると思います
ですが、リスクが無いわけではありません。これには適性がありまして、流星君に合うかどうかはやってみんことには分かりません」

藤井母「もし、合わへんかったら流星は大丈夫なんですか？」

医者「向こうのスタッフは優秀なものばかりですので、その点はまず安心して良いと思います
ご家族でよく話合ってください」

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※補助人口心臓は現在わりとメジャーな治療法で５年生存率も90%以上と高く、この小説よりも安全性が高いです。
制作の都合上少々イジっておりますので決して鵜呑みにしないようご注意ください。