黎明Ⅱ (ページ12)

今日:25 hit、昨日:32 hit、合計:8,805 hit

39話ページ12

流星side

7月5日、長い梅雨が終わりを見せ始めた頃

望が体調を崩した

望「げほっげほっ、はぁ…流星…」

流星「辛いなぁ、大丈夫やで？」

少し赤い頬を優しく撫でると、じんわりとした熱が伝わってくる

―ガラガラ―

崇裕「どう？望」

流星「あんま変わらへんなぁ、寝れたと思ってもすぐ咳で起きてまうし。望、熱計れる？」

言いながらはまちゃんから体温計を受け取って望に渡す

望「…ん、鳴ったげほっげほっ」

崇裕「高いなぁ～病名で言えばただの風邪なんやけど、望は発作に繋がるかもしれへんからなぁ」

昨日の夜も、小さいけど発作を起こしてすごい苦しそうやったからな…

望、最近発作起きてなくて、上手く行ったら初めて退院出来るかもってとこやったのに

崇裕「流星は？なんも無い？こんだけ面倒見てくれたら、助かるけど移らんとも言えんからな」

流星「俺は全然大丈夫」

崇裕「そか、ほな望にも流星にも何かあったらすぐナースコールやで？」

流星「おん」

―ガラガラ―

崇裕「おっと、珍しいお客さんやな」

はまちゃんが部屋を出ようとドアを開けたら望と同年代くらいの男女が3人立っとった

というかこの子ら…院内学級で望と話してた子らやんな？

流星「望の友達？」

女子生徒２「(小声)えっちょ誰、あのイケメン!?」

男子生徒１「(小声)なに!?俺よりイケメンはこの病院で望だけやと思っとったのに！」

女子生徒１「(小声)は？何言うてんの、あんたは望にもあの人にも遠く及ばんからな？」

男子生徒１「(小声)えっ嘘やん！」

流星「…えーと、入る？」