４２.第３０話「介抱」 ページ42
ヴェルドラがAに向けて“あの”構えをした時、それに答えるようにAも同じ構えをした。
………俺と同じく異世界人(転生だけど)だからこそ、否定出来ないどころか確信してしまう。“絶対防御”だとしても流石に心配だな…、
ヴェルドラ＆A『か〜め〜は〜め〜………波〜〜ッ！！』
二人がそう叫んだ瞬間、俺が
……おいおい、大丈夫なのか？
A「ふぅ…、なかなかやるね」
ヴェルドラ「やはり流石だな、Aよ。我も少々危なかったぞ！」
A「そう？結構余裕ありそうだけど………よし。次こそ、は……、」
ん？
Aが急に動かなくなり、少しずつ降下してくる。慌てて絶対防御を解除し、その様子を見ると……めっちゃ眠そう。
ディアブロが言っていた通り、疲れて大人しくなっている…というか、今にも寝そうだな。
しばらく眺めていると、いつからどこにいたのかディアブロがAの元へ飛んでいき、流れるようにお姫様抱っこをした。………お姫様抱っこ？？？
ディアブロ「はぁ…、ようやく寝ましたね」
リムル「あ、もう寝たのね…」
ディアブロ「さて、この酔っぱらいは私が後始末するので、リムル様は宴の方へ戻って頂いても宜しいですよ」
ディアブロはそう言って笑っているが、完全に目が笑っていない。そして“こっちに踏み込んで来るな”という有無を言わせないオーラが凄まじい…。
ここはディアブロに任せるとするか
リムル「わかった。だが、Aがこうなったのはこちらにも非がある。だからあまりAを責めないでくれないか」
ディアブロ「…そうですか。それでは、後でAにはリムル様に感謝するよう伝えておきますね」
リムル「ああ。後は任せた」
ーーーーーーーーーー
【ディアブロ視点】
すやすやと寝息を立てるAを抱え、自分の執務室へと向かう。一時はどうなるかと焦ったものの、
執務室に着き、普段使わないためシワ一つ無い自分のベッドにAを降ろす。
A「……………ぅ、」
ディアブロ「…起きていましたか」
A「今起きた…。あれ、私何してたっけ…、」
……Aが酒を飲めばいつもこうなる。
今回はどうしてやりましょうか
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