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きっかけは先生のささいな一言だった。
いつもなら聞き流せていたかもしれないけど、今の俺にそんな余裕はなくて。
各々予定があったりで三人のヒョンが来るのが遅かったら。
中学に行っている俺とジョンググ。
高校生のテヒョンさん。
大学生のソクジンさん。
その３人の前で言われたから。
ソクジンさんとテヒョンさんが、その言葉に同調したから。
もうその時、俺の周りには《敵》しかいなかったから。
近くの６階建ての廃ビル。
ここは非常階段の入口のカギが壊れていて。
時々、侵入して狭くなった空を屋上から見ていた。
昔、一人でぶらぶらしている時に教えてもらった。
ヒョンたちも知らない俺だけの秘密の場所。
屋上のフェンスの外。
裏通りに面しているから人通りはない。
座り込んでプラプラと足を揺らす。
『分かった。もういいや、もう疲れた。』
そう言って練習室を出てきた。
自然と口からでた本音。
先生にも３人にも引き留められず。
どうせまた、いつもの所だろって声だけが聞こえた。
本当に些細な一言だった。
―――ジョングクはラップも上手いな〜、ラップラインでもいけるな。
俺はあの先生に《上手い》と言われたことがない。
ラップ初心者だった俺は毎日怒られてばかり。
デビュー組になった時も、デビューが決まった時も。
ヒョンたちは頑張ったと上手くなったと褒めてくれたけど。
あの先生から《上手い》と言われたことは無かった。
ダンスも歌も上手くて。
マンネの座も奪われて。
唯一、あいつに勝っていると思っていたラップすら負けてしまっていたらしい。
別にヒョンたちが褒めてくれたからいいんだ。
あんな奴の言葉なんてどうでもいい。
でも、あいつも事務所の大人たちの一人なわけで。
あいつが言えばPDや社長もジョングクをラップラインにすると思う。
今は人見知りで近寄ってこないけど。
慣れてくればきっと可愛がられる。
無垢で純粋で心がキレイな真っ白ウサギ。
才能豊かなかのに、努力を惜しまない頑張り屋。
俺の居場所なんて最初から無かった。
ただ顔しか取り柄のない俺。
それもきっと笑顔のジョングクには敵わない。
ユンギヒョン達があの場に居なくてよかった。
きっともっと惨めな思いをしていたと思う。
ヒョンたちを取られるくらいなら。
そんな光景を見るくらいなら。
いっそ、このまま消えてしまえれば楽なのに。
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ゆり(プロフ) - はじめまして！とても面白いですね。更新楽しみにしてます！ (2021年1月30日 21時) (
レス) id: 83001323e2 (このIDを非表示/違反報告)
mia - すみません。リアルのリが抜けていました。 (2019年7月28日 22時) (レス) id: 49d0b92999 (このIDを非表示/違反報告)
mia - コメント失礼します^ ^すごくアルですね。バンタン愛の強さがとても感じられる作品でした^ ^ (2019年7月28日 22時) (レス) id: 49d0b92999 (このIDを非表示/違反報告)
catablack - ジョングクとの関係が私的に好きです！これからも陰ながら応援しています！！頑張ってください！！ (2019年5月8日 22時) (レス) id: 5c0644c360 (このIDを非表示/違反報告)
3(プロフ) - グッたんの絶妙な病みぐあいがたまりません！ (2019年5月4日 11時) (レス) id: c916423483 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ペンギン615 | 作成日時：2019年5月1日 20時
