74日目 ページ31
充side
A先輩と出水先輩を黙って見送る。
……何だかんだ言って、出水先輩とA先輩は仲がいい。米屋先輩も。
同い年同じ学校だし、感覚派の３人だから互いに気楽なのだろうとは思うけど……
感情が理論を埋め尽くす。
ほんとはおれだけを見てて欲しい。
おれの隣で笑ってて欲しい、なんて……
ぐっといろいろな感情を飲み込み、個人戦のブースを後にし……
「充！」
「え？」
しようとした所で名前を呼ばれる。反射的に振り返ろうとすると、その間もなく腕を引かれる。
え、A先輩……？何が起きてるんだろう。
A先輩に腕を引かれるまま付いていく。
急にどうしたんだろう。それに、出水先輩は？
先輩が黙っているから、おれも何も言えない。
ほんとに何が起きているんだろう。
「はぁ……やっと……」
空き部屋に入った所で、ようやく先輩が手を離した。
多分経路的に加古隊の隊室の隣、かな？
先輩が小さく呟く声がしたが、聞き取れなかった。
「充はさ、その……あたしと出水が偽恋人するのが嫌なわけ？」
「……まぁ、はい」
「なら……」
唇に何かが触れる感覚。目の前には、目を閉じたA先輩の顔。
「え？」
「こ、これで……心配なんかしないでしょ？」
恥ずかしそうに顔を赤くしながらそっぽを向く先輩。
……ずるいと思う。ごめん、とは言わないのに、キス一つでおれを浮かれさせる。
ぐいっと先輩の腕を引いて、その頬にキスを落とした。
「……え、えぇぇぇぇ！？充、何してんの！？」
それ、先輩が言いますか？
「仕方ないので、A先輩が出水先輩の彼女役するのは我慢します。
その代わり、家では甘えさせてくださいね？」
「は？あ……ぅ……？」
ぼんっと顔を赤らめて恥じらう先輩にくすくすと笑って
「冗談です」
と言うと、先輩が安心したような顔で息をつく。
「頑張ってくださいね」
「……ん」
顔を赤らめたままの先輩が愛おしく感じて、軽くそのおでこに口付けをする。
「好きです、A先輩」
「……知ってるし」
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なーさん(プロフ) - とっても面白いです！更新まってます！ (2020年5月16日 15時) (
レス) id: 6e63b9ea09 (このIDを非表示/違反報告)
迅さんファン - 続きが気になります！更新お願いします！ (2020年5月13日 11時) (レス) id: e76fa4663c (このIDを非表示/違反報告)
駄作しか作れない駄作者 - うああああああ!とっきー!もう最高かよ (2019年1月1日 2時) (レス) id: 8e02e0511a (このIDを非表示/違反報告)
美遊@星(プロフ) - 桜餅さん» ありがとうございます！直しましたー！！ 他にも何かあったら教えて下さると嬉しいです！ (2016年8月13日 10時) (レス) id: 0f595e2fd4 (このIDを非表示/違反報告)
桜餅 - すみません、51日目の最後らへんの文章、毎日をたのしくしてくれてありがとつになっている気がします。 (2016年8月10日 14時) (レス) id: c9bac8a27e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：美遊@星 | 作成日時：2016年5月25日 20時
