▽30 ページ31
泣いてても仕方ない、と気持ちを切り替えられた時にはもうすでにすばるが来なくなってから一週間はたってて。
けっきょくあの日は仕事も手につかず、早退した。
家に帰ってもすばるの痕跡は何もなくて。
それがまた悲しくて、涙が出た。
だだん、と力強いドラムの音が現実に引き戻す。
なんにもやる気が出なくなった私に、同僚がくれたのはすばると出会ったあのライブのチケットで。
あの日と同じように、また私は二階の角の席に座ってる。
ここに来ればすばるに会えるんじゃないかって。
そんな淡い期待を消せずに、でもやっぱり会えないとわかってて落胆して。
せっかくくれたチケットだし、来ちゃったもんは仕方ない、とビール片手にライブを楽しむ。
すばるは何してるんだろうな、なんて考えながら、ステージに目を向けて驚いた。
「…あ〜、みなさんこんばんわ。初めまして、渋谷すばるです。今日は、俺の好きなこのバンドのボーカルに無理言って、1曲だけ、セッションさせてもらえることになりました。」
すばると、目があった気がした。
「俺のこと知ってる奴も、知らん奴も。楽しんでってもらえたら嬉しいです…んじゃ、聞いてください。」
甘くて、切ないすばるの声が、小さなライブハウスに、響いた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 275人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「ジャニーズ」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ことりーぬ(プロフ) - ∞りっちゃん∞さん» コメントありがとうございます！いいとこに気づいてくださいました！今回出てきた方もどうなるのか、シリーズを楽しみにしてください！ (2015年11月14日 16時) (
レス) id: 466d89bbb0 (このIDを非表示/違反報告)
∞りっちゃん∞(プロフ) - 前回のお話と少しつながってる部分があって素敵です。更新頑張って下さい (2015年11月14日 14時) (レス) id: a0d9c12414 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ことりーぬ
| 作成日時：2015年11月12日 16時
