私の家の可愛い子（黄） (ページ30)

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「たーだいまーぁ！！！！」

そんなおっきい声で起きた、真夜中。
今週もよく働いた！明日休みだしたっぷり寝よう！って思ってたのに…。
こんな時間に、しかも一人暮らしの私の部屋に帰ってくるのなんか一人しか思いつかない。

「A～？Aちゃーんっ、寝てる～ん？」

無視しよ。無視無視。
そう思って、寝室の扉に背を向ける。
ガチャって遠慮無く開けられたドアから入ってきてぽすってベッドの開いたスペースに座ったかと思ったら倒れこんできた。

「んん～Aちゅあん♪」
ぎゅーってして、すりすり。

うっわ、酒臭！！
しかも亮ちゃん、今日珍しくスーツだったよね？
皺になっちゃうじゃん！

って思っていたら。

「はぁ…伝わらんもんやなぁ…。」
て、呟く声。

「こんなに、アピールしとるつもりやのに…」

アピール？誰に？誰が…？

「普段の俺ってこんなんちゃうねんで～？知らんかもしれんけどさぁ」

さらっ。さらっ。
ゆっくり、指と指の間を髪の毛が落ちていく。

「なぁ、いつになったら、ペットやめれるんかな…。」

ドキドキして。
起きるタイミングを見失った私はこれも聞いてないことにしようとしっかりと目をつむったのに。

ちゅ。

「なぁ、好きやねん…俺がどれだけ好きか、知らんやろ…」

おでこにキスを落として。
あぁもう寝よっ！てスーツのまま。

しばらくしたら、スースーと寝息が聞こえた。