蒼い月の詩 (ページ24)

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24話ページ24

こうして向かえたイプシロン対漫遊寺中の試合。漫遊寺中の生徒と雷門中が見守るなか、それぞれが自分のポジションにつき、試合が始まるという頃漫遊寺中は目を瞑り、右手で拳をつくり左の手のひらに当てるあの合掌をした。

「お許しください…一時の激情に負けた心弱気私たちを…」

　古株が試合開始の笛を吹いた。漫遊寺中の見事なボール捌きに見ていた雷門中は思わず「おぉ…」と感心した。これならイプシロンも倒せるのではないか、誰もがそう希望を持った。

　そのままイプシロン陣内へと攻め上がる選手の前にイプシロンの女子選手が立ちはだかった。回転したボールが起こす風により視界を奪う技「竜巻旋風」で突破しようとするもあっけなくボールを奪われてしまう。必殺技なんて効かないとでも言うかのようにあっさりと。

　そのまま攻めてくるイプシロンを止めようと目の前に立ち塞がるも、彼女は上を見ることなく頭上にいたマキュアにパスをする。

「四股踏み！」

　マキュアに向かって強い向かい風が吹く。だがしかし、風の抵抗などないかのようにそのままドリブルで上がりノーマルシュートを放った。ゴール前にいた選手ごとボールをゴールネットに叩き付けた。

　初得点はイプシロン

　漫遊寺が必殺シュートを打つもののデザームは技を使うこともせず右手だけで止めた。イプシロンのゼルがノーマルシュートを再び打つ。だが、必殺技を使っても止めることが出来なかった。

　2点目がイプシロンに入る

　その後もイプシロンの猛攻が続きフィールドに立っているのは影田のみとなった。その影田も立っているのがやっとだというほどボロボロだった。

「無念だ…」

　そう呟いて正面にバタリと倒れた。点差は15。漫遊寺は一度も点を入れることが出来なかった。