15話 ページ15
襲撃予告を受けた漫遊寺中に到着した雷門イレブン一行は学校の様子を見てただポカンとしていた。道に大きく穴が開き、周りに瓦礫もあるというのに誰も気にせずまるでいつも通りだとでも言わんばかりに過ごしている。
「なんか、のんびりしてるよな」
「襲撃予告なんて全く気にしてない感じ」
実際気にしていないのであろう。周りの瓦礫の上に座って本を読んでいたり、友達同士で話していたりしているのを見るところ本当に気にしていないようだ。
「とにかくサッカー部を探そうぜ」
本来の自分たちの目的であるサッカー部を探そうと円堂が声を上げると、「サッカー部なら奥の道場みたいだよ」と後ろから吹雪が答えた。
振り返ると吹雪と蒼龍が漫遊寺の女子生徒に両側を挟まれニコニコと穏やかに笑っている。
「どうもありがとう」
「どういたしまして！」
「また何かあったらよろしくね」
『それじゃあね』
「は〜い！」
吹雪と蒼龍が笑顔を浮かべ礼を言うと女子生徒たちはあまったるい声で返事をした。その様子を見ていた雷門イレブンは皆して苦笑いを浮かべていた。
歩く度にギシギシとなる赤と茶色が混じったような色をした床を進んで奥にあるという道場を目指していると「あれじゃないかしら？」と秋が声をあげた。
「みたいだな」
「間違いない！よしっ！いくぞ皆！」
円堂が先陣をきって走っていき「「おお！」」と他のメンバーも続いていく。がしかし、次の瞬間
「だぁ？」
「うわぁ！」
「うあ！？」
「うお！」
「すまん！」
円堂が走っている途中に滑りその後ろにいた染岡、塔子、土門、眼鏡、壁山、風丸の順にぶつかり、秋と鬼道は思わず目を瞑り次に目を開けたときに視界に入ってきたのは、折り重なって倒れたチームメイトたちだった。
土門の右頬に塔子の足がぶつかるのを見てしまった蒼龍は『うわ、痛そう』と思わず声を洩らした。
壁山の下敷きになった目鏡が重い重いと喚いている。救出された眼鏡を床に座らせ春奈が「大丈夫ですか」と言おうとしたのを遮り
「大丈夫じゃないですよこれ！」
「ですよね…」
壁山のあの体格の下敷きになったのだ無事ではすまないだろう。
「グキッていいましたよ！グキッてぇ！」
「す、すいませんッス…」
大きい体を縮ませながら壁山が謝った。
『土門、顔大丈夫？』
「平気、平気。デスゾーンのときよりましだからさ」
『デスゾーン…』
「あれは顔面で受け止めたからな」
『絶対痛いやつだ』
「痛かったな」
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作者名：南極 | 作成日時：2019年11月29日 20時
