１４：密会 ページ14
その後次の収録に移り、今日の撮影が済んだのはもう深夜の時間帯になっていた。
「この時間帯の収録に、食うゲストは勘弁だな・・・」
「あんなに３か条、食う食う食う、ってくるか？！」
メンバーはうなりながら楽屋へ戻った。
「松本くーん！櫻井くーん！」
後ろから呼び止めたのは、今日の進行役を務めた二人のフットサル仲間の男だった。
「ねぇ、今度の練習の場所、決まったんで伝えとくね？」
「あ、ありがと♪」
「あー、なんか久しぶりだなっ♪」
先に戻った３人は、着替えをしながらスケジュール確認を済ませていた。
「大野君、今日は家まで送る？」
「あー…ううん、いいや。自力で帰る。」
「そう。じゃぁ十分気を付けてね。」
「小学生かよ(苦笑)」
「それと、飲みすぎないでね？
じゃぁお疲れ様！明日は１１時集合です。迎えに行くね？」
「ううん、１１時だったら直接入るわ。たぶん実家帰るから。」
「あ、そうなの？ちゃんと寝てよ？朝まで描いてたとかだめだよ＾＾」
「…ほーい。」
「リーダー、今から実家帰るの？」
「……うん。たまには帰って来いって、母ちゃんが」
二宮は、答える前に少し間が開いたことに気付いた。
「…大野さん、じゃぁ実家まで送りましょうか。俺今日車だから。」
「うーん、いいや。ありがと。たぶん姉ちゃんが迎えに来てくれるみたいだから。」
「リーダーの家族って、仲いいよねぇ！」
「(笑)相葉ちゃんちほどじゃないでしょ？」
「いやいや♪ねぇ♪仲良きことは美しい〜だよ！」
「じゃ、お先！」
「あれ？翔ちゃんと松潤、まだだね？」
「あ…ごめん、姉ちゃん待たせちゃうから、先出るわ。」
大野は時計を見ながらそう答えると、片手をひらひらと振りながら出て行った。
大野はビル風に首を竦めると、人通りの途絶えた高層ビルの間を歩き続けた。
１５分ほど歩いて、とあるビルの地下に降りて行った。
一軒の店の扉を開けると、２０人ほどの客がにぎやかに過ごしていた。
「大野くん。こっちこっち！」
「あ、どうも＾＾」
大野は手を上げて声をかけてきた男に微笑むと、歩み寄った。
「遅くなってすいません。熊井さん。」
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作者名：tororo
| 作成日時：2011年10月13日 18時
