若頭に愛されています【るぅと】

ー40ー ページ41

ななもりside

俺は襖の前で二人の会話を聞いている

泣きながら話するぅとくん、そして笑顔で答えるAちゃん

胸が苦しくなる

でもごめんね、仕方ないんだ

それが、俺達の仕事だから

…るぅとくんを行かせる事にしちゃったけど大丈夫かな…

だって仕事に情を入れてはならないから

情を入れることによって、上手く殺 せなかったり

殺 す事に罪悪感を覚えてしまう

そうなったら終わりだから

これからの殺し屋としての人生が

Aちゃんを迎える代わりに約束したんだ

るぅとくんとね

≪僕の次の組長はるぅとくんが務めること。≫

今るぅとくんが終わってしまえば、この条件は果たせなくなる

条件が果たせなくなると、Aちゃんとはお別れ

そう言ったんだ

普通は血筋で、俺の子を組長にするのが普通だ

だけど、俺には妻が居ない

これから先も作る気なんてない

だから若頭のるぅとくんに頼みたいんだ

5人の中だったらトップの成績だし、Aちゃんもるぅとくんを支える事ができている

うってつけだ

「A…っ」

『大丈夫、ここにいるよ。ずぅっと』

「うん、うんっ」

あぁ、もう

涙つられちゃいそうだよ…

俺は天井を見上げて、深呼吸した

そして、自室へと戻った
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
Aside

『ほら、夜中だし寝よ？』

私がるぅとさんに優しく言う

でもるぅとさんは「寝れない…っ、寝れないよぉ」と甘える

そんなに可愛く言われたら私だってときめいてしまう

「んぅ…Aがぎゅってしてくれたら寝れるぅ…」

ベットにころんっと横になって、腕を広げる彼

『もぅ…可愛いじゃん…ばか』

私は彼の腕に入り、抱きしめる

私が強く抱きしめると、るぅとさんも強く抱きしめた






そして、結局寝れなかったのは私の方

だってドキドキしちゃったんだもん

ー41ー→←ー39ー

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す