・ ページ32
・
・
確かにその人は、私の目を見て、私の名前を言った。
確実に目が合った。
はっきりと聞こえた。
嫌でも分かった。
何で、
何でなの。
今、一番会いたくなかったのに。
與「 Aちゃん、走るよ 」
與那城さんは私の手を引き、すぐさま走り出す。
周りの目なんて気にせず、人混みの中をとにかく走った。
今にも溢れ出しそうな涙を必死に抑えた。
・
・
・
・
與「 本当にごめん 」
あれからショッピングモールを出た私たちは、すぐにタクシーを拾い、先輩方の寮へと帰っている。
後部座席に二人で座っていると、隣に座っている與那城さんが、本当に申し訳ないと謝る。
『 與那城さんは全く悪くないです！ たまたま、ロケの撮影中に遭遇して、そこに、偶然にもメンバーがいたってだけですから…だから、ご自身を責めないでください… 』
與「 でも、俺がAちゃんをショッピングモールに連れて行かなければ、あんな事にはならなかったし、Aちゃんを嫌な気持ちにさせずに済んだ…本当にごめん 」
『 顔上げてください！ 私は大丈夫ですから……幸い、與那城さんと一緒にいたことはバレてなさそうですし、何とかなりますよ 』
『 それに、今日は本当に楽しかったです！ 久しぶりに、たくさん買い物して大満足ですし、與那城さんと一緒に過ごせて良かったです。ありがとうございます 』
與「 Aちゃん…… 」
確かに、今この時期にどんな形であれ、メンバーに会いたかったかと聞かれれば、すぐに肯定は出来ない。
まぁ、合わせる顔がないと言う方が正しい。
だけど、買い物はすごく楽しかったし、私のために外へ連れ出してくださった與那城さんにはとても感謝しているから、その気持ちは伝えたい。
與「 俺、Aちゃんのこと絶対に守るから。
いや、守らせてほしい 」
そう言って、真っ直ぐな目で私を見る與那城さん。
この人なら、信じてもいい。
そう思える。
私は、応えるように強く頷いた。
・
・
So I have made the decision to trust you.
" だから、貴方のことを信じるって決めた "
・
・
Twitter→←So I have made the decision to trust you.
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1201人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
なす(プロフ) - 更新待ってます💖 (2月28日 9時) (
レス) @page37 id: dedfea958d (このIDを非表示/違反報告)
ぺじゅ(プロフ) - ささん» コメントありがとうございます！！主様のような方からの温かいコメント、すごく嬉しいです😭💓不定期更新にはなってしまいますが、これからも読んでくださると嬉しいです🥹✨ (12月12日 23時) (レス) id: ce70e0c6e3 (このIDを非表示/違反報告)
さ(プロフ) - 更新嬉しいです☺️ずっと楽しみにしています！！！！！無理なく更新待ってます☺️ (12月12日 23時) (レス) @page37 id: 3db943dc83 (このIDを非表示/違反報告)
ぺじゅ(プロフ) - ななしさん» コメントありがとうございます！そう言って頂けて、すごく光栄です(TT)♡マイペース更新にはなりますが、これからも読んで頂けると嬉しいです♡ (2022年7月1日 0時) (レス) id: ce70e0c6e3 (このIDを非表示/違反報告)
ななし - お話ですごい泣いてしまいました⋯これからどうなるのか気になります🥲🤍お話好きです✨ (2022年6月30日 18時) (レス) @page23 id: 791bab0b0f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ぺじゅ | 作成日時：2022年1月7日 19時
