第二犠牲者 ページ10
【谷裂side】
正直、何が起こっているのかわからん。
なぜ俺達が、こんな目にあっているのだ?
ぱちぱちぱちぱち!!
「ヒューッ!!」
「最高だー!」
「いいぞもっとやれー!!」
盛大な拍手と歓声が、耳を貫きそうな音量で鳴り渡る。
『あーあ、佐疫はもうダメだな。
じゃあそろそろチェンジしよ!』
パチンというあの指を鳴らす音が再び聞こえた。
途端に鳥籠の中に何かがごろん、と転がった。
斬「さ、佐疫!!」
斬島がいち早く反応し、何かに駆け寄る。
その何かは、手足や目など色々と足りていない上、肉がぐちゃぐちゃになっている佐疫だった。
ただでさえ、会議室の戦闘で赤くなっていた制服が、元の色がわからない程の赤さになっている。
『さて、次は誰にしようかな…。
斬島はもうちょっと放置してからが…平腹と抹本は面白い殺し方が浮かばないな…田噛はなんか策を仕掛けて来そうだし…木舌は脂肪に苦労しそう…よし、消去法で』
ガクッと、体が沈む。
一瞬意識が飛んだような感覚がした後、気づけば闘技場で邪神と向き合っていた。
『君には素敵な死に方をさせてあげよう』
ニヤニヤとした笑いの染み付いたAの顔を見ると、この邪神に対する憎しみのような感情が一気に湧き上がってきた。
こいつが、佐疫をあんな無残な姿にした。
こいつが、皆を悲しませ恐怖に陥れている。
そして、こいつがAの少しぎこちないような、あの笑顔を奪った。
ついでに言えば、趣味で他の誰かにもこういったことを繰り返した。
到底、許すことは出来ない。
谷「死ぬのは貴様だ」
金棒をピッと邪神の顔に向ける。
『それは無理ってもんだよ』
谷「いいや、可能だ。叩き潰してやろう」
『ははっ、せいぜい頑張りたまえ』
「「「いええええーい!!!」」」
再び拍手と歓声が耳を貫く。
それを合図に、邪神が斬りかかって来た。
それを金棒で防ぎ、反撃に出る。
絶対に、こいつを倒す!!
ーーーーーーーー
次回
お察しの通り、
谷裂の番です。
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月宮 天音 - ↓[みたい]を誤字ってました……。すみません。 (2021年9月3日 18時) (レス) id: 20a4980e6f (このIDを非表示/違反報告)
月宮 天音 - なんかクトゥルフ神話見たいで鳥肌立ちました2021年にすみません。続きを期待…… (2021年9月3日 18時) (レス) id: 20a4980e6f (このIDを非表示/違反報告)
憂鬱な修羅 - ずっとずっと待ちわびてた作品が、気づいたら完結していた…OTL 面白かった! (2019年2月4日 21時) (レス) id: dfbc2e99d7 (このIDを非表示/違反報告)
神結 - (´・ω・`) (2017年10月10日 20時) (レス) id: d435247ad3 (このIDを非表示/違反報告)
神結 - ありがとうございます! (2017年9月10日 17時) (レス) id: d435247ad3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*星羅* | 作成日時:2017年4月25日 17時