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ショーの幕開け ページ6

【木舌side】
橙の女性の胸部がぱっくりと割れ、そこから鮮血が溢れ出している。
そんな光景が目の前にあるにも関わらず、Aは『つまんなーい!』と言って猫のようにぐっと伸びをした。

『はあ、ロボくんのせいで色々台無しだよー』

げしっと緑の男性の体を蹴り上げるA。
なんだか子供の八つ当たりのように見える。

斬「おい、俺の質問の答えはどうした」

最初に彼女に声をかけたのは斬島だった。

『質問?…ああ、僕がAか、ってやつね!
僕は見ての通りAだよ!…体は』

そう言ってぴょんぴょんとふざけるように飛び跳ねる。
体は、Aねえ…。

木「じゃあ、他はどうなんだい?」

佐「そうだね、例えば中身とか」

『中身…中身はね…』

飛ぶのをピタリとやめ、少し間を開けてから言った。

『アリスの、兄です。はじめまして!』

全「…え?」

一斉にアリスに視線が集まる。
アリスは白い顔を青くさせ、肩を小さく震わせている。

木「てっきり、Aの中に邪神が入ったと思ったんだけど…」

ア「いや、それは合ってる」

谷「だが、そうするとお前も邪神ということに…」

ア「そうなんだよ!!」

突然大声で叫ぶ彼女に驚く。
彼女は続けて、ほとんど悲鳴のような声をあげた。

ア「私は、邪神なの!だって、仕方ないじゃない!!
そういう存在として、この世に産まれたんだから!!
それは絶対覆せないの、どう足掻いても!」

『そうそう。君は邪神、僕も邪神。
世界の理から外れた、嫌われ者さ。
好きなのは、生き物の心を弄ぶこと。皆共通の趣味だよ』

ア「違う、違う!私は…」

『そうだね、君は例外。君の心は人に限りなく近い。
だからそういう趣味はないよね。
多少のイタズラはするけど、どれも可愛いものだし。
君の心には思いやりとか、罪悪感とか、あとは…
友達が欲しい、なんて馬鹿な欲望もあるしね?
そんなんだから皆にシカトされるんだよ〜。』

なるほど、だからアリスは有り得ないことも簡単にやってのけたのか。
理から外れた邪神なら、普通を無視して行動できる。
不可能を可能にだってできる。
実際、おれと谷裂の中身を入れ替えたりしたし。
でも、人に近いって、どういう…?よくわからなかったな。

『まあ、こんな難しい会話はいいの!
邪神のくせに嘘つきな幼女は放置だ放置!!』

Aに入った邪神がパンパンと手を叩き、会話の流れを断ち切る。

『これより、獄卒の虐殺ショーを始めます!
金髪が逃げた分、皆沢山泣いて叫んで精神崩壊してね!!』

第一犠牲者→←ここからが本番



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月宮 天音 - ↓[みたい]を誤字ってました……。すみません。 (2021年9月3日 18時) (レス) id: 20a4980e6f (このIDを非表示/違反報告)
月宮 天音 - なんかクトゥルフ神話見たいで鳥肌立ちました2021年にすみません。続きを期待…… (2021年9月3日 18時) (レス) id: 20a4980e6f (このIDを非表示/違反報告)
憂鬱な修羅 - ずっとずっと待ちわびてた作品が、気づいたら完結していた…OTL 面白かった! (2019年2月4日 21時) (レス) id: dfbc2e99d7 (このIDを非表示/違反報告)
神結 - (´・ω・`) (2017年10月10日 20時) (レス) id: d435247ad3 (このIDを非表示/違反報告)
神結 - ありがとうございます! (2017年9月10日 17時) (レス) id: d435247ad3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*星羅* | 作成日時:2017年4月25日 17時

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