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三日月 ページ2

『あれ、狩りきってないから。終わったら答えるよ』

だって、こいつらを殺すの…

面白そうだもん。

足に力を入れ、早速切りかかろうとしたが。

『おっと』

頭上から、ナイフが飛んできた。
誰かいるのかな?
適当に、霊力を込めつつ上に向かって大鎌を振り、派を飛ばす。

後ろの方で、獄卒さん達が「なんだあれ」的なことを騒いでいるが、スルーだスルー。
そんなことに構っても、面白いことは起こらない。

?「うあっ…」

派が命中したらしき少女が、血を撒き散らしながら落ちてくる。
どたりと床に体を打ち付け、苦しそうに唸っている。

ああ、面白そうなのが増えた、と思い笑い、話しかける。

『うわー、ごめんね?当たっちゃったー。
痛いよね?苦しいよね?でも、大丈夫。

今、楽にしてあげるよ』

込み上げる喜びを感じつつ、少女に切りかかろうとする。

緑「!!やめろ!!」

ロボくんがダッシュで飛んできたけど、僕の早さに勝てるはずもなく。
大鎌の刃は、少女の首を高く跳ね飛ばした。

緑「灯里っ!!」

『あはははっ!ロボくん、どうだい!?
君の目の前で、大事な仲間の首が飛んでくのを見た感想は!!?
…あ、感情がないから、感想もクソもないか』

緑「…っ!許さない…許さないぞ貴様!!」

剥き出しの怒りを放つ、自称、感情のないロボット。

橙「ああ、もういやや。助けて、お父…お母…」

顔を真っ青にして、口を抑え、ガタガタ震えてる貧乏女。

金「なんでよ、なんで!!私達がこんな目に会うなんておかしいわ!!私達はいつも一緒でいつも強く…」

ヒステリックな声でベラベラと喋る捨て子。

緑「…」

何も言わず、こちらに殺意を向けながらチェーンソーを構える魔術師。

そして…

目を見開き、ポカーンとアホみたいな顔で僕を見る獄卒と。

たった一人の友達に「これから起こること」に気づき。
絶望し、表情筋を失ったような顔をして、直立したまま動かない、僕の妹。

ああ、思った通りだ。

いや、違う。
思った以上に、面白い、最高の展開だ!!

この子が偶然にも死んでしまったり、僕が大鎌の中に閉じ込められたりした時は、本当にどうしようかと思ったけど。
むしろ、そのおかげで、より一層面白くなったよ!!!

僕はつくづく、運がいいなあ。

口角を上げ、三日月型に口を歪めながら、自分を褒め称えた。

邪神→←逃げろ



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月宮 天音 - ↓[みたい]を誤字ってました……。すみません。 (2021年9月3日 18時) (レス) id: 20a4980e6f (このIDを非表示/違反報告)
月宮 天音 - なんかクトゥルフ神話見たいで鳥肌立ちました2021年にすみません。続きを期待…… (2021年9月3日 18時) (レス) id: 20a4980e6f (このIDを非表示/違反報告)
憂鬱な修羅 - ずっとずっと待ちわびてた作品が、気づいたら完結していた…OTL 面白かった! (2019年2月4日 21時) (レス) id: dfbc2e99d7 (このIDを非表示/違反報告)
神結 - (´・ω・`) (2017年10月10日 20時) (レス) id: d435247ad3 (このIDを非表示/違反報告)
神結 - ありがとうございます! (2017年9月10日 17時) (レス) id: d435247ad3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*星羅* | 作成日時:2017年4月25日 17時

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