俺の隣は誰もいない【urt】 (ページ9)

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うらたside

「住み着いてるっていう幽霊の死んだ年？」

『はい。』

「んー、いつだったかね……っていうか、もしかして出た？」

なんだこのジジイ、意外と鋭いな。(失礼)

『いや、俺ちょっとオカルト系に興味あるんで……』

そんなの無い。今思い付いた。

「あー、そうなのね、じゃあ調べてみるけどあんまり深入りしない方がいんじゃない？祟られるよ～。」

と、冗談めかして言う。

いや、多分今祟られるよりひどい状況だけどな。

「僕も5年くらい前からここの管理人やってるんだけどその頃からここは幽霊マンションとか騒がれてたからなあ。」

『よくそんな所に勤めようと思いましたね。』

「まあ給料良かったしね～。」

などという会話をしながら
パソコンで記録を調べる管理人さん。

「あ、あったね。」

『いつですか？』

「んーと……今から丁度10年前だね。」

マジかよ………。

『そ、そんな前からなんすね～。』

「10年前に19歳ってことは……大体浦田さんと同い年じゃない？気を付けてよ、気に入られないように。」

『幽霊って年とらないから19のまんまじゃないですか？』

「あ、それもそうか。」

アッハッハ！と声をあげて笑い出す。
某ジャンプ漫画の
坂本○馬がちらつくのは気のせいだろうか。
そしてこの悪意のありそうな伏せ字はなんだ。

『ありがとうございました～。』

「いいえ～、またなんか知りたいことあったらいつでもおいで、暇だから。」

『ちゃんと仕事はしてくださいよ～。』

「分かってるって。」

同い年……か。

俺はあと三ヶ月しかないことを告げるべきか
告げないべきか悩みながら
エレベーターで4階まで上った。

「お帰り、はやかったわね。」

お前やっぱ彼女か。