俺の隣は誰もいない【urt】 (ページ26)

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うらたside

その後、引っ張られるように外に出た俺は

『おい、ちょっと待てって…』

と、Aを呼び止めた。

「ええ？なに？今忙しいんですけど。」

何がだよ、そう返そうと口を開いた瞬間Aの体が青白い光に包まれたかと思えばすごく強い光を発した。

『う、なんだ……？』

その光があまりにも眩しく目を閉じた。しばらくして俺の視界に入ったのはもとの光と同じような青白い色のなにかだった。

『なんだ？これ。』

目の前で浮遊しながら光るものに触れようと手を伸ばす。指先が触れる、そう思ったとき

「触れないで！」

光の辺りからAの声がした。

「触れないで。」

『は？』

「外を歩くときに幽霊のままだと万が一見える人がいたら面倒でしょ？」

A曰くこのように火の玉に姿を変えることで幽霊になってから認識した人間……つまり俺やまーしぃ、坂田、センラ以外には今のところ見えないそうだ。……いや、坂田とセンラにはどっちにしろ見えないか。

『そんな便利なものがあるのか……。』

「うん、でもうらたさん達が触れてしまったら普通に見える幽霊に戻っちゃうから。」

『また姿変えればよくね？』

「結構これ体力使うの！疲れるの！」

『はいはい、すいません。』

そんな下らない会話をしながら歩いていると、

「あ、多分ここだね。」

Aの声で足を止め、目の前の建物を見上げる。

『図書館……？』

「うん、調べれば何か分かるかもしれないし。」

あれだけ意気込んでいた割りに案外普通だな。
そこで俺はひとつの疑問が浮かんだので聞いてみる。

『でも、事件に巻き込まれたりしてない限り新聞なんか載ってないんじゃ……』

「さあ、行こう！」

『人の話を聞け。』

俺のツッコミを意にも返さず、
ええと、新聞コーナーは3階かあ、
などとほざいている。

そこから階段をのぼり、3階に着く。
周りを見渡すと、色々な新聞社の新聞があった。
それらは年代別、種類別に分けられており、とても複雑そうに見える。

このなかから探すのかよ……。