俺の隣は誰もいない【urt】 (ページ24)

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うらたside

それから俺らは少し遅めの朝食を食べ、作戦会議(ほぼ遊び)をしていた。

「んー、どうしましょうねぇ……」

Aが言う。これで4回目だ。
口調こそ少しは困ったように聞こえるが、またあの壁を通り抜ける謎の遊びをしながらの言葉なので本当に探す気があるのか……と不安になりつつも

「まあ、もう一度管理人のおっさんに話してみるのもいいかもな。」

「あ、いいかもね。」

確か前は、オカルトが好きなんです～。なんて訳の分からないことを言って聞いたのか。
なんであんな嘘ついたんだ俺！
若干のめんどくささを感じつつもAとの会議を続ける。

「じゃあ今から聞きに行ってみます？」

Aの問いかけに答えようとした瞬間、
俺の携帯が鳴った。画面を見ると"あほ"の文字があった。もう起きたのか、あいつ。
トークを開くと、

あほ今起きたでー。
電話なんかあったん?

と、一言来ていた。

「誰から？」

「ん？ああ、お前がさっき電話掛けたから坂田から来てんだよ。」

「あ、そうなのね。じゃあこの機会に聞いてみましょ！」

どうせ駄目だろうけどなあ……と内心諦めつつ、文字を打ち込む。

うらたちょっと聞きたいことあるんだけどいい?
あほええよー、どしたん?
うらたお前んとこの病院にAのカルテとかあったりする?
あほAちゃんのカルテ?ずっとここに住んでたん?
うらたああ。だからもしかして、と思って……。
あほまあ可能性はあるな、調べてみるわ。

まじかあいつ。
本当に探してくれそうな坂田に少し驚いていると、トークが終わるのを今か今かと待ち望んでいたように、Aがどうでした？と少し興奮気味に聞いてきた。俺は

「探してくれるってよ。」

と、答える。それを聞いた瞬間Aは満面の笑みで

「ありがとうございます！」

と叫ぶ。いや坂田に言えよ。
その旨を伝えると、

「坂田さん！ありがとうございます！」

と、大声で叫びだした。

「うるせぇな近所迷惑。」

と、言っても幽霊だから大体の奴聞こえねえのか。
しかし、本当に騒がしい奴だな……。
そんなAの姿に呆れつつも、
心なしか自分の口が綻んでいる気がした。