俺の隣は誰もいない【urt】 (ページ11)

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Aside

ガチャッ＿＿＿

ドアの開く音がした。
あれ、用事は……？
疑問に思いつつも、

『お帰り、はやかったわね。』

と、彼女感満載の文句を言う。
……あ、突っ込んでくれないのね。
気を取り直して、

『ってか、本当にどうしたの？早かったじゃん』

「え、あー、いや今日じゃなかったわ」

顔に焦りが出てる。絶対嘘じゃん。
ってか絶対元からないだろ。

「なにそれー」

私は笑顔で言った。
その瞬間。

『え。』

思わず声をあげた。
一瞬だけだったが、
うらたさんの声が聞こえた気がしたのだ。
口は動いてないのに、なんで……？
声は一度途切れたが、また聞こえだした。
よく考えてみると、
その声は頭に直接流れてきているようだった。
その内容は途切れ途切れで、
全ては聞こえなかったが……

《地縛霊》

《あと三ヶ月》

この言葉ははっきりと聞こえた。

……私はあと三ヶ月で地縛霊になるの？
うらたさんにそう問いたかったが、
それは彼の言葉で遮られた。

「どうした？」

『……え、いや、なんでもない。』

咄嗟に答える。

今のはもしかして
うらたさんの心の声………とか

などという考えが過った。
ずっと黙っていたので
うらたさんが沈黙を破るように口を開いた。

『あの、さ。』

「ん？」

『いや、なんでもない。』

「えー、言えよー。」

その瞬間、今度ははっきりと聞こえた
彼の声はまた

《地縛霊》

《あと三ヶ月》

を繰り返していた。
私はこれは彼の心の声なんだと確信した。
そして私は聞いた。

「…もしかしてさ、私やっぱりあと三ヶ月なの？」

『え。』

彼が鳩が豆鉄砲を食らったような顔になる。
………ああ、やっぱりそうなんだ。