消えた初恋 短編集

部活と青木 ページ4

青木はどんな顔をしてるんだろ？

青木がゆっくり顔を上げる

「青···木？」

その表情は笑ってて俺の想像していた顔じゃぁなかった

「井田ぁーお前真面目すぎ」

「えっ？」

「俺は、俺と付き合ったからって井田には我慢して
俺を優先して欲しいなんて思ってない」

「···青木」

「バレー頑張ってる井田もかっこいいしなって
何言わすんだよ」

少し赤い顔で青木が怒ってた

「とにかく、お前は今まで通りの生活でいいから
　気にすんな、まぁけど少しだけ嬉しかった
　ありがとな」

「あぁ」

「あぁー寒すぎ少し早いけど、教室戻ろうぜ」

「わかった」

青木はいつも俺の事を考えてくれる
俺にとって何が一番いいのかを優先してくれる

俺はどうなんだろ？

教室までの帰り道色々と思う

部活と青木···俺はどっちが大事なんだ？

教室に着くと「あっくん、橋本さぁーん」と
二人の方に向かっていく青木
俺も後ろをついていく

部活と青木···

「なんだよ、せっかくラブラブしてたのに
くんなよ」

「ちょっと相多くん、何言ってるの」

「ラブラブだねぇ」

「青木くんまでやめてよ」

なんてじゃれ合う３人の声が聞こえてくる
でも、俺の耳には何にも届いてなくて

部活と青木···

俺は青木の腕を掴んだ

「いっ井田？」

「部活より俺は青木が大事だ」

部活と青木→←部活と青木

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す