ヒーローって難しい【ヒロアカ】 (ページ18)

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ごーかくはっぴょーページ18

終了の合図を経て。
お姫様抱っこから降ろしてもらい首をさする。うん、かなり痛い。
が、ここで治療やらなんやらは面倒(人見知り)なので即座に帰ることを選択した。
赤髪にめちゃくちゃ心配されたものの、逃げ込む様に電車に乗って帰って来たのが試験当日。

数日後。
マスターの営業する店の手伝いをしていたその日はいつもと変わった事もなく、マスターから合否発表の封筒を手渡されるまでなーんにも考えずにいた。

合否発表は勿論、二人で見る。

私はニヤニヤしながら封筒を開けた。

「ふっふっふ…これで私は自由の身。これで私は自由の身」

「おや？落ちていると確定した訳ではないでしょう」

「人数半端なかったし、私より強い人多かったから絶対落ちてる」

「ホッホッホ。強いだけじゃヒーローは務まりませんよ?」

「どーだか。単なる無個性のお人好しよりクソがつくほど恐ろしい個性と性格の持ち主の方がヒーローにはなれると思うけど」

私は同じ雄英を受けた二人のことを思い出す。

緑谷は無個性から成り上がったお人好し。しかしあのまま無個性だったらヒーローなんざ夢のまた夢だろう。情報をまとめること以外何一つしてこなかった訳だし。
爆豪は強力な個性だが、随分と残念な性格をしている。子供を泣かせるヒーローNo. 1とかになりそう。いやガチで。

まぁ私には関係ないんだけどね。

封筒から出てきたのは変な円盤。

使い方がわからずクルクルしていると、急に映像が映し出された。

なるほど、最新のビデオって事なのか。

私は、なぜか映るオールマイトを見ながらそう思った。

『私が投影された!!』

「この人いつもうるさいな」

「まぁ、そう言わずに」

映像に文句を言っても仕方がないので、黙って見る。

『この街に来た理由!それは雄英に勤めることになったからさ!!』

へーそーなんだー。わーどうでもいい。
前置きが長い。巻け。

『後がつっかえている様なので端的に言うと君は合格だ!!!』

は？

『筆記も実技もギリギリの点数。本来なら不合格にしてもおかしくはない。しかし!!!
君はギミックに立ち向かったね!!それは力試しではなく一人の少年を助けるために!!』

その後、点数やらなんやら言っていたが、私の耳には入らなかった。

やった。やってしまった。

ヒーローになりたくない私が、ヒーローを目指さなくてはならないという事実。

マスターの顔は笑っていた。