色々怖い ページ15
私の場所はD。
しっかり案内板を見てから行かなければ必ず迷う。
逆に迷わない奴が居るのかどうか。
「おいてめぇ」
案内板を凝視して居ると、後ろから途轍もなく面倒な声が聞こえた。
私はこいつを知ってるが、こいつよく私のこと知ってたな。好きなのか？好きなんだな。そうか。
ごめん、私好きじゃない。
「何でここに居んだよ」
お相手は、そう。
爆豪君ですよ。
やめてくれよ神様。
めっちゃ睨んでくるじゃないっすか。
私は内心めちゃくちゃだが、顔には出さず爆豪の方に向き直った。
「…雄英を受けるから?」
「そういうんじゃねぇよ。ぶっ殺すぞ」
ギロリと睨まれる。
何でだろう。
本当に殺されそう。
ヒーロー志望に殺されそう。
私は痛いのも面倒なのも嫌なので、オールマイトがよくやるグッドラックを爆豪にかました。
「お互い頑張ろう」
そして思いっきり逃げた。何か言っていたが無視で。
ダサいとか言うな。
会場Dに着いた私は、取り敢えず埋まりたかった。
なぜって？
そりゃ、一人だけ装備がガチなんですもん。
私の能力は、爆豪の様にボンボンならない。ただ単に隠すだけのつまらない個性だ。いやまぁ本当は違うんだけど、隠すだけの方が体力使わない。
だから私は武器に頼る。
手には木でできた弓。
腰に矢を入れる筒。
水素爆発を起こさせるための箱とそれを隠すための茶色いコート。
その他諸々。全てマスターが揃えてくれた。どこで調達したのか知らないが。
他の人たちはジャージとか多いのに、自分だけ私服でフル装備なのはかなり恥ずかしい。
目立ちたがり屋かよ、って自分で突っ込みたい。
受験者はいつ始まるかわからない緊張感の中、門前で待って居る。
私は、スタートダッシュが苦手で、そして意味がないので一番後ろに陣取った。
そして、
「ハイ、スタートー!」
試験のサジは投げられた。
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作者名：海月 星 | 作成日時：2017年6月24日 18時
