ヒーローって難しい【ヒロアカ】 (ページ12)

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修行なんて嫌いだページ12

「ホッホッホ。あの時はですね、敵の裏を掻きまして敢えて正面から侵入したのですよ」

「なるほど…あれはわざとだったと…」

あれから数十分。私の個性の話からマスターのヒーロー時代の話になっていた。

あの事件はどうだとか、この事件はこうだったとか。
ニュースすら見ていなかった私には理解できないものであった。

そして何より、

「イヤァ、あの時は大変だったね！レッドフィンガーは作戦を言わないから合わせるのが難しいんだよ！！」

オールマイトまで会話に入ってしまっている。

別になんかハブられてるとか、思ってない。
が、うるさいこいつらとは思っている。

「あっ！じゃあ、あの事件は」

「なぁ、もう帰っていいか？」

いやね？確かに彼らの修行とやらを邪魔したのは私ですけど、

長いんだよこいつら。
いやマジで。本当に。

オールマイトの風格が全然違うと思った昨日の私を殴りたい。

「して、オールマイト。私からの提案を受けてくれますか？」

「ああ!いいとも!!それに旧友の頼みは断れないじゃないか!!」

マスターとオールマイトとが何やら話している。

提案？
マスターからの？
さっきの？

………………………………………………あ。

「待て待て待て待て待て待て待て」

「これからよろしくね!」

「よろしくしたくない、待って」

「わあ!これから色葉さんと一緒かあ!」

「おいてめぇ、緑谷もか」

提案。
そう、私の修行の事。

は？待って？

は？

「私はAが中卒する事に反対です。ですが、Aの意思を摘み取るのも些か心苦しい。
なのでオールマイトとの修行を経て雄英に落ちたら中卒を認め、探偵を継ぐなり店を継ぐなり好きにしていいですよ。それがどちらの意思を注いだ結果ですので」

私が混乱している中、マスターが人差し指を立てながら条件を出して来た。

そう、混乱している中だ。

だから、何が良くて何が悪いか判断できず、取り敢えず頷いてしまったのである。