人間、秘密 ページ26
「ご、ごめんね急に…か、かっちゃんっていうのは僕の幼馴染で、この前事故で亡くなっちゃって…」
「……」
「あっ、あの…ぼ、僕は…僕の個性は…」
緑谷はそこで一旦言葉を区切ると、息を吐くように言葉をこぼした。
「人から授かった“個性”なんだ」
あまりにも神妙な趣きで話すものだから、流石の私も黙りこくる。
チラリと視線を爆豪に向けると、意味がわからないとでも言うように眉を潜めている。
「誰かからとかは言えないしなんでって言うのも言えないけど…いやコミックみたいな話だってわかってるけど本当で…!おまけにろくに扱えもしなくて…全然モノにできてない状態の“借り物”で…!」
「……あの」
「そ、それで、陰陽師さんはかっちゃんに似た個性で、もしかして僕みたいな感じかなって…中学では陰陽師さんの“個性”は知られてなくて…“無個性”って噂もあったし…」
「あのぉ…」
「僕は君をかっちゃんと重ねちゃって…だから少し嬉しかったんだ…また競えるって、またかっちゃんを追いかけられるって、だから──」
緑谷は一旦そこで言葉を区切ると、
「──いつかちゃんと自分のモノにして“僕の力”で
私ではなく、私を通して爆豪勝己に対して宣戦布告の言葉を吐いた。
緑谷は、言った瞬間ハッとして「違う、そうじゃなくて」と言葉を続けようとしたが、私は声を被すように「あの」と言葉を吐いた。
そして、
「かっちゃんって誰ですか…?」
さも当たり前のように嘘をついた。
「えっ…?」
「いや、あの…これは私の個性でして…似たような“個性”って…あの、そんな、珍しいものではないんじゃ…」
「あっ、うん、まぁ…」
「すみません…」
「い、いや!僕こそごめん!」
ぺこりと頭を下げてさっさとその場を後にする。
しかし、ほんの少し思うところもあり、私はゆっくりと振り向いた。
「あの、今回は確かに私が負けました…でも、それだけだし…
一回の敗北が生死に関わる戦場じゃないし…まだまだだからこうやって、学校通ってるわけだし…だ、だから…」
風が強く吹き荒れ、長い前髪が酷く靡いた。
広くなった視界でデク君を捉え、
「──
「…!うん!!」
自分達のことだと思っているであろうデク君を置いて校舎を後にする。
その後、オールマイトが来たが、あのでかい図体は恐怖の何物でもなかった。
終わり
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フラペチーノ - 最高です。続き待ってます！ (2020年4月23日 19時) (
レス) id: 457bb7fd5b (このIDを非表示/違反報告)
海 星(プロフ) - 真龍さん» ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！ありがとうございます！！ありがとうございます！！ここ最近ほんっっっっっと更新していなくて申し訳ないのですが、そう言っていただけると本当にありがたいですっ！！コメントありがとうございます！！ (2019年2月26日 22時) (レス) id: 28c6736f14 (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 神 (2019年2月21日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
海月 星(プロフ) - [いくと]さん» コメントありがとうございます！罵倒×罵倒という謎の戦いを繰り広げて負けたり勝ったりしているだけなのですが（汗）笑っていただけたのなら何よりも嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: 28c6736f14 (このIDを非表示/違反報告)
[いくと] - すっっっっごく面白いです！爆笑しすぎて腹筋が……発想力羨ましいです(笑)更新頑張って下さい！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: 31ad1d6ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 星 | 作成日時：2017年8月27日 16時
