人間、結果 ページ25
言ってしまおう。
結果は爆豪、もとい私の負けだ。
途中までは確かに圧倒していた。
なぜか個性を使わないデク君と、容赦なく個性を使う爆豪、というだけで勝敗は決まったも同然で。
そもそも天才マンの爆豪が負ける姿など想像できなかったのだが。
結果は我らがチームの敗退。
一言で言えば作戦負け。
もう少し捻るなら目的の差だ。
デク君は訓練に勝とうとし、
爆豪はデク君に勝とうとし。
デク君は身体中ズタボロになりながらもヒーローとしてしっかりと役割を果たしたわけだ。
『ざまぁ』
「……」
『おい』
「………」
『拗ねてんのか』
「………」
『ビビってんのか』
「…………」
『…………』
「……………」
『………弱虫爆弾卿』
「ぶち殺すぞ」
『やってみろクズ。煽りに煽っといて負けるとか雑魚の鏡だな』
「煽りもできねぇ奴が」
『負けるよりかはマシだわ。体返せや』
「……」
『おい』
先程からこんなように話しかけても会話は続かず、かといって体を返してはくれようとはしない。
負けたことがそれほど悔しかったのだろう。
がしかし、それは私が知ったことではない。
さっさと体返せ爆弾魔が。
ーーーーー
時は夕暮れ。
やっと体を返した爆豪は、私の後ろをついてくる形でふかふかと頭上を浮いていた。
靴を履き替え、さっさと校舎を出る。
その間、会話は一つもない。
爆豪はいつまで経っても俯いたままで、久々の静かさに嬉しさが湧いてくる。
人が悩んでいるのにそれを嬉しがるということに対して『人でなし』と言われようとも、そんな事知ったこっちゃない。
これは爆豪の問題であって私の問題ではない。
人助けを称して、馬鹿みたいに首を突っ込むのも考えものだ。
校門を潜るちょうどその時。
後ろから「陰陽師さん!」という声が。
声の大きさに肩をビクつかせながらも、ゆっくりと振り向くと、そこには息を切らすデク君がいた。
「あっ…どうも」
「あ…うん」
会話はそこで終了する。
この場合、爆豪に体をチェンジしようか迷いどころだが、こちらが行動をする前に、緑谷の口が開いた。
「あ、あのね…陰陽師さんとは中学校の頃全然話さなかったけど、多分僕の噂は知ってると思うんだけど…あの…無個性の…」
「は、はぁ…?」
「そ、それでね!ちょっと聞きたくって…間違えてたらごめんなんだけど…」
緑谷は一瞬躊躇うと、真っ直ぐ私の瞳を射抜き、
「──その個性、かっちゃんの?」
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フラペチーノ - 最高です。続き待ってます！ (2020年4月23日 19時) (
レス) id: 457bb7fd5b (このIDを非表示/違反報告)
海 星(プロフ) - 真龍さん» ひやぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！！！！！ありがとうございます！！ありがとうございます！！ここ最近ほんっっっっっと更新していなくて申し訳ないのですが、そう言っていただけると本当にありがたいですっ！！コメントありがとうございます！！ (2019年2月26日 22時) (レス) id: 28c6736f14 (このIDを非表示/違反報告)
真龍(プロフ) - 神 (2019年2月21日 18時) (レス) id: cad0db13a6 (このIDを非表示/違反報告)
海月 星(プロフ) - [いくと]さん» コメントありがとうございます！罵倒×罵倒という謎の戦いを繰り広げて負けたり勝ったりしているだけなのですが（汗）笑っていただけたのなら何よりも嬉しいです！更新頑張ります！！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: 28c6736f14 (このIDを非表示/違反報告)
[いくと] - すっっっっごく面白いです！爆笑しすぎて腹筋が……発想力羨ましいです(笑)更新頑張って下さい！ (2018年1月16日 23時) (レス) id: 31ad1d6ed4 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：海 星 | 作成日時：2017年8月27日 16時
