【弱ペダ】青瞬ペダル【男主】 (ページ8)

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塩ひとさじページ8

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『ぱちー、今日結構調子良い？』

そうやって息を切らすこともなく

ふわりと笑ってみせるこいつが

こいつが

こいつが、に ... ににに────

｢ゼェ、ハ、ゼェっく゛いぃッ、ハァ... ｣

( っ、クソ、かわいいなっ ... ！！ )

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勿論本心ではないのだがこの感情に当て嵌まる言葉が見つからない

だからとりあえず、憎たらしい

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久々に競走しない？

なんてそれはもう可憐な笑顔で

“ ぱーーちっ！ ”

だなんて、可愛いにも程がある

そんなAからの申し出を受けたのは、そう、

山神こと

東堂尽八である

スリーピングビューティな、

俺だ

Aとの久しぶりのデート

今日こそはリードしてやらねば

そう気合を入れ直す

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今までより明らかに迫ってはいた

しかし

最後のギアチェンジで再び大差をつけられ

呆気なく惨敗

そして、荒い呼吸を繰り返す俺の側

Aは言うまでもなく、

かわいい

ではなくだな、

登る前より生き生きして見える此奴

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遠い目で Aを見つめる

毎回山を駆け上がるとき

背中で大きな羽根が羽ばたいて見える

今だって、この青に溶け込みそうで

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｢ッわ、！！な、っ｣

後から伸びてきた白い腕に、芝生の上へ引き落とされた

上から覗き込む綺麗な額が

俺の上に影をつくる

『っ、ふは凄え間抜け面してる』

この世に天使は存在する

俺はそう、確信した

あ、

ぽたりと

伝い落ちた汗がおちて

( ... 塩っぱいな )

けれどやはり、

この天使が人間であることに

どうしようもなく安心する

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