とこしえばな【虎】2 (ページ2)

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「あ！Aちゃん？！」

海斗さんに続こうと足を踏み出した時
後ろから同期たちの驚いたような声がした。

彼女たちの丁寧に巻かれた髪がふわっとマフラーの上で揺れる。

かわいいなあ

　

「待って待って聞いてないよ、彼氏いたの？！」

「ちょーイケメン‥‥やるじゃん！！」

『えっ？』

興奮してる2人が私の手を握ってブンブン振ってくるけど

何を言ってるのかイマイチ‥‥

「年下？可愛いね」

その同期の目線が海斗さんに向いてやっと気付いた。

違う、彼は彼氏じゃない‥‥！

申し訳なさに海斗さんの方を向いたら彼も困っているのか目を泳がせながら苦笑いしていた。

「ふぅ～ん、だから合コン来れないのね？」

「そうならそうと言ってよ～知らなかっ『違うよ！』

「「え？」」

思わず彼女たちの言葉に被せるように声を荒げてしまった。

そんな私に同期の2人と海斗さんは目を見開く。

海斗さんが私の彼氏なんて、失礼にも程がある。

　

『彼氏とかじゃないよ』

「え、違うの？」

『うんそう、なんか弟みたいな』

「Aちゃん弟いたっけ？」

『し、親戚の！だから弟みたいなの、ね？』

話を合わせてくれ、そう願いながら首を横に向けると彼はふっと笑った。

松倉「あーそうそう！たまたま今日こっち来たんすよね」

「へぇ～！可愛いね」

「声掛けちゃってごめんね、じゃあまた！」

私たちの言葉に納得したらしい2人は仲良くヒールを鳴らせて反対方向へと歩いていき、それを見た海斗さんがふぅ、と肩を下ろした。

　

『ごめんなさい、巻き込んじゃって』

松倉「あ、ごめんね、違うよ。ちょっと緊張して(笑)」

　

「てか、それよりさ」

海斗さんが前を歩きながら振り向く。

後ろに広がる星空の中で金色がキラキラしていて

その姿から目が離せなくなった。

松倉「俺が彼氏って、嫌？」

『へ‥‥？』

予想外の質問に素っ頓狂な声が出て

私の足は止まった。