とこしえばな【虎】 (ページ17)

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宮近「とりあえず3人とも乗って」

ちゃかさんに促され川島さんは助手席に座り、七五三掛さんと後部座席に乗る。

服も食べ物も好きな化粧品も本も、全部全部あの火事で燃えてしまったのだろうか。

　
映画やドラマを見ながら、こんなことが起きたら泣いちゃうだろうな、って思ってたけど案外その立場になると受け入れてる自分に驚く。

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松田「おかえり～て、あれ、Aちゃん！？」

松倉「‥‥？なんで？」

吉澤「え、どうしたの？」

『お世話になります‥‥』

1日だけ、この家に泊めてもらうことになった。

とりあえず座って、と言われ、空いてる椅子に腰を下ろす。

中村「‥‥何しに来たの？」

上がったばかりなのか、髪の毛をタオルで拭きながら中村さんはソファに座る。

リビングに7人全員が集まったところで川島さんと七五三掛さん、そして私でさっきまでの出来事を話した。

松倉「それマジでその時にいなくてよかったやつ‥‥」
　

松田「大丈夫？じゃないよな」

吉澤「落ち着かないかもしれないけど、ゆっくりしてね」

中村「‥‥彼氏とか、友達とか、そっち行けば？」

3人の暖かい言葉の後に冷たい声色が落とされる。

川島「海人」

中村「イケメンばっかだから来たわけ？」

七五三掛「海人、言い過ぎ」

中村「‥‥どういうつもり」

『すみません、』

泣くな、これが普通の反応だ。

松田「いーじゃん！家ないのは可哀想じゃん」

吉澤「それにもうこんな時間だし」

川島「気にしないで、お風呂入っておいで。松倉案内」

松倉「おー、Aちゃん、こっち」

気を遣わせてしまった。

情けない。