現御神の戯れ【賢者の石】 (ページ8)

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「君、は … もしかすると … その、」

『なんだ、はっきりしないな』

「 ……… 」

『くふ、お前のしこうを読んでやろうか？

おまえ、ボクが神だと知っているな？』

「っ、やはり、貴方は … 」

彼＿ルシウス・マルフォイは恐怖していた。

くふくふと笑いながら此方を見詰める少年の目は先程とは違い、結膜は真紅に、虹彩は薄鈍色に染まりきっていて、その美しさは正しく神。

身動ぎ一つでもすれば殺されてしまうのではないか、そんな空気を漂わせる少年は愉悦に浸り楽しむ様に瞳を歪め、口を開いた。

『ねぇ、おまえ。名前は？』

「 … ルシウス …… マルフォイと申します、」

『へぇ、ボクはA。

よろしくね、るしうす。』

「、はい … 」

冷ややかで刺す様な瞳の父親より、芯まで凍える冷酷な声の卿(ロード)より、目の前の存在が恐ろしくて堪らなかった。

此の世の物とは思えない程美しく矯正な顔立ちでにこりと微笑んだ神はどうやら機嫌が良い様で、今の内は殺される事は無さそうである事に胸を撫で下ろした瞬間。

神が示指で地面を指さし微笑んだのが分かる。その意図を理解してしまい、血の気が引いて行くのを感じた。

冷や汗をだらだらと流し息を震わせ、庶民では目にかかる事も出来ないような高価な衣服にも関わらずゆっくりと地面に膝を着く。

それが正しい判断だった様で、少年の口角は弧を描いていた。

『るしうす、お前はきれいで良い子だね。』

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