夏の終わりに想うこと (ページ5)

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和サイド

Aを車に乗せて医院に戻る。

あぁ、俺Aと付き合えたんだって思ったらすごく嬉しくて。にやけてるのがバレないように出来るだけすまし顔をしてる。笑

ほんとにずっと好きだった。でもこの気持ちに気づくのが遅くて結局卒業してしまって。

だけどAも好きって言ってくれるなんて。嬉しいなって浮かれてたら、助手席でAが

A「いっつ。」

和「痛み出してきた？もうすぐ着くからね。」

相当痛みあるんだなあ。

歯医者には普段行っているのだろうか。

こんなに行くの嫌がったってことは歯医者が嫌いなんだろうなあ。

今日治療出来るかなあ。

なんで少し真剣に考えてると医院が見えてきた。

和「よし、着いたよ。裏口から入ろうか。」

まだ目が赤いのでそういうと重そうな足取りで付いてきた。

和「ただいまーA、お部屋入れる？」

と聞くとフルフルと首を横にするので

和「じゃあまずはこっちにしておこうね」

って言ってスタッフルームに案内する。

すると、通りかかった潤が

潤「A～！久しぶり。潤だよ、覚えてる？」

A「潤くん久しぶりだね、もちろん覚えてるよ」

潤「また後でゆっくり話そうな。
和、4番準備してあるからね。」

って伝えてくれた。2人きりになった部屋で

和「えーっと、まずはこれを書いてもらおうかな。俺、その間にちょっと着替えてくるからね？」

と言って問診票を渡して着替えてまた戻る。

和「お待たせー。お、書けた？んじゃ見せてよー」

痛み出したのは2ヶ月前か。左下ね。

和「左下ね。奥歯かな？他にも痛いところある？」

A「うん、奥。んー、わかんない」

和「そっかそっか。後で診てみようね。今日はご飯食べてたら痛くなったの？」

A「うん、ズキンズキンって。」

和「おっけー。ありがとう。歯磨きはした？」

寝ちゃったから出来てないと言うので

和「じゃあしておこうね。」

と言って歯磨きさせた。そろそろいいかなと思って

和「一回あっちのお部屋行ってみよっか。まだ治療しないからね、ゆっくりやっていこうね。」

と言って手を差し出すと握ってくれたので手を繋いでユニットのある部屋に向かう。

途中、翔くんとすれ違ったらとても優しい目で見てくれた。後で報告しますから。待っててね。笑

和「あ、偉いじゃん。座れたね。」

ユニットはまだハードル高いかなあと思ったけど座ってくれたので俺はスツールを横に持ってきて座った。