夏の終わりに想うこと (ページ22)

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ー相談事－ページ22

和サイド

カレンダーの指す月も変わり、桜が咲き始める季節。

「新学期」前ということで忙しそうなA。

俺はこの間、片付いた仕事のおかげでそれほど忙しくない生活を送ってる。

忙しくて会えないって寂しそうに言ったから、それなら俺の家に泊まりにおいでって話になって。

ここ最近は半同棲みたいになっている。

「今日も遅くなっても和の家に帰ってきていい？」

なんて可愛い言葉を残して学校に向かったのよ。

もう帰るのが楽しみなわけ。

でもまだやらなきゃなんないことがあるんだよね～。

和「翔さ～ん。どこ～。」

もう診療時間は終わってるから、
患者さんがいないのを良いことに大声で探してみる笑

ほらほら、ひょこって顔が出てきたよ。

翔「お呼びですか～？」

和「お呼びしました～。おつかれ。何してたの？」

診察室にいたから聞いてみる。

翔「ん？ちょっと気になることがあってカルテ見てただけ。もう終わろうとしてたとこ。どした？」

和「ちょっと相談。この8番なんだけど～。」

目の前にあるキーボードにもう頭の中に入ってる番号を打ち込む。

翔「ハハッ。そういうことね。笑和が俺に相談って珍しいな～と思ったら。大切な大切な彼女さんでしたか。」

和「せーかい。さすがの俺でもこのエキストはできないわ～って思ってさ。頼めます？」

翔「教科書の写真かってほど綺麗に横向いてるね。」

和「そうなの。早いとこエキストしておいた方がいいかなと思って。まだ本人には言ってないんだけどね。」

翔「俺はいつでもいいよ。診療終わりでも休みの日でも全然。K大行くよりここでやった方がいいでしょ？」

和「ホント？そう言ってもらえると助かる。ありがと。一回話してみるわ。どっちにしても連休取れる日になるとは思う。また翔ちゃんの予定と合わせるね。」

翔「おう、了解。任せてくれたらいいよ。それにしても順調そうだね。」

和「何よもう。おかげさまで。あ、そうそう。おたくの彼女さん。待ってるよお部屋で。」

翔「は？どゆこと？早く言えよそれを。ったく。」

和「まーって翔ちゃん。顔怖いから。スマイル大事よ？ほらほら。」

ほっぺたをぷに～ってやって緩ませる。

翔「あぁ、ありがと。行ってくるわ。」

和「優しくね？あ、あと翔さんも気になるところあったら相談待ってますからね。」

と言うと、苦笑いして出て行った。

開いてたカルテが自分のだなんてバレバレですよ～っと。