夏の終わりに想うこと (ページ3)

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和サイド

あの日から2週間が経った。

のに、全く連絡をしてこないA。

いや確実痛むんだと思ったんだけどなあ。

まあどこかかかりつけがあって治してもらったかもしれないし。

でもそのままにしてたら？まだ痛むんだろうなあ。

なんてあれこれ考えてたら

潤「なに難しい顔してんのよ。笑最近ずっとだよ、和。」

和「いやーさ、こないだAに会ったって話したじゃん？その時さ、痛そうにしてたのよ、歯。だからおいでって言ったんだけど何にも連絡こないんだよね。
それどころか食事のお誘いすらないの。」

潤「なんだ、Aのことか。和、中学のときからAがAがって言ってたもんなー。懐かしいわ。
連絡ないってことはいいことなのかもよ？もう治してもらったってこともあるわけだし。」

和「そうなんだけどねー。」

潤「心配しても出来ることなんて限られてるんだからさ、とりあえず仕事しよーぜ。」

和「はぁーい。」

なんかモヤモヤしながら診察開始の時間に。

俺はね、小児を主にやってる。潤くんは歯周病。
あと3人歯科医がいて5人で回してる。

多くね？って？まあそれぞれ学会に行ったり大学病院でも働いたりしてるから。なんてったって5人は幼なじみ。気づいたら全員歯科医になってた。

そんなこんなであっという間に午前診が終わり。

いつものようにスタッフルームでゲームしてたら着信が。

見てみると、Aからだったから急いで

和「もしもし？A？」

A「もしもし、かず？んっく」

和「え？どしたよ？泣いてんの？」

A「あのね、あの、」

和「うん、ゆっくりでいいよ。」

A「はぁ、痛いの。ひっく」

和「ん、よく言えました。
いま家？今日は休みだよな？」

A「うん、家。」

んーどうしようかな午後診あるしなー。

Aに我慢させるのはかわいそうだけど、とりあえず痛み止め飲ませて診療時間終わるのを待ってもらうしかないね。

和「A、いつも頭痛くなったときに飲む薬ある？」

ロキソニンがあると言うので

和「じゃあそれ飲んでごらん？少しマシになるはず。俺、午後の診察あるからもう少し我慢できる？終わったらすぐ迎えに行くからね。」

A「わかった、ごめんね？和。」

電話を切ると

潤「A？痛いって？」

和「うん、みたい。」

と言うと、翔くんが予約表を見ながら

翔「最後の3人俺らで診られそうな子だから早くあがっていってあげな。」

って言ってくれた。