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■ ページ40
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｢取り敢えず……今は大丈夫そう。｣
｢いや、大丈夫じゃない｣
｢……な、なぜ｣
｢明らかにおかしかっただろ、さっきのA｣
｢うん。それは認める。でも今はもう大丈夫。だからいったん離して。話しずらい｣
自分から抱き着いておいて、理不尽な話だが、実際ほっぺをこうも押し付けられていたら話しずらい
サーシャの手を降ろさせるように手で制すと、大人しく解放された
近すぎる距離をいつも通りに戻してから、出来うる限りさっきのことを言語化してみる
サーシャは神妙な顔で最後まで聞いて、思案してからポロリと｢魔素に触れたのか。｣呟いた
どういうことだ。と、さらなる説明を促すとサーシャは分かりやすく噛み砕いて説明してくれる
｢定例会に来てるヤツらは偉いヤツらばっかで、つまり魔素が豊富な魔族ばっか
魔素が毒な人間種のAにとっては、最悪な空間ってワケ｣
そんな高濃度の魔素を保持している魔族たちが、気分高揚で無意識に一気に魔素を放出。私が毒に侵食されていう話らしい
｢……死ぬかと思ったのは、正常な反応だったのね｣
｢良かったな、俺がいて｣
急に誇ったように胸を張って言うサーシャがなんだか無責任なように感じた。だって、そんなことを知ってるのなら、事前にこうなることも予想ついただろうに、教えてくれても良かったのでは？と、結果ありきの暴論をたててしまう
でも確かにサーシャが連れ出してくれなければ、あのまま死んでいたかもしれない。
感謝を言おう。と、改めて顔を上げサーシャを見上げると、夜でも光る真っ赤な双眼に刺されていた
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