【kzh】精一杯の全てを賭けて2

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私は老いぼれです。名はありませんが、主からは『じぃ』と呼ばれています。


我が主は吸血種の国を束ねる王族、その第三王子にあたり、列記とした皇位継承権をお持ちになる高いの方です。

ただ、三男坊ということもあるのでしょうか。その自覚は薄く、“問題児”という名を欲しいままにしております。




やれば出来る子なのです。勉学は好きではない方(かた)ですが、理解も良く吸収は早いですし、まだ若いということもあるのでしょうか。

今はまだイタズラへの言い訳と、サボりへの建前にしかその能力は発揮されませんが、頭の回転が大変早うございます。




また誰もが振り返るような造形美なお姿をされておりますが、本人はどうでもいいようで私と致しましては宝石にホコリを被らせてる心地です。


なんっで、あの主様はこぉー。残念なんでしょうか！



もう私も老い先短い老いぼれですので、口うるさく言うこともありませんが、主は次期王にふさわしい技能をお持ちなのは確かです。
ただそんなことを言おうものなら、｢え、やんないよ。そういうのは兄貴に任せておけばいいんだよ｣と心底煩わしそうに言われます


兄上様たちもご立派ではあるのですが、やはり私が主様が最もすごいと思っているのは仕えてる上の依怙贔屓なのでしょうかね




さて、そんな主の大切な番いの元へ向かいましょう。
最近は初めて魔術を使った時のように主ははしゃがれている、天の玉です。名はどうやらAと言うようですが、主に付いて姿を拝見したことは何度もありますが言葉を交わしたことはありません。



｢失礼します。｣

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