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「目ェ、閉じてろ」と言われ素直に閉じている間に身体が軽くなった気がした
空気が数段澄んだ感じもする
「A」
低すぎず聞こえやすいちょうどいい高さの声が私の名前を大事そうに口にしたもんだから、うわぁ。と柄にもなく体温が上がった
「もう開けてもいいぞ」
ゆっくりと瞼を開いていく
細い足が目に入り、だるまが目の前に立っていることを認識して瞼を開け切る
そしてゆっくりと視点をあげていけば真っ白の双翼
真っ赤なパーカー
そして金の瞳とかち合った
にぃ。とギザついている歯を見せながらその金の瞳を細めるようにして笑っただるまに思わず飛びついてしまった
「おっ」と少しよろけだけどすぐに背に腕を回してくれる
あー
「やっと見えた」
「なんや、恥ずかしいなぁ」
「ちゃんと見せて」
だるまの腕の中で面だけ真上に向けて、真っ白な頬に両手を添えて動かないように固定した
気まずそうに金の瞳を背けるだるまからはいつもの威勢の良さがみられない
親指の腹で頬を擦ると耳まで赤くしてるのが分かる
それに満足する私は今だらしない顔をしてるだろう
「目、本当に1個だけなんだね
あとなんか、本当に神様って感じがする」
「分かってんのと直接見んのでは違うからな」
「確かに」
だるまが被るフードにはそれはそれは歪な黒の丸が左目を埋めていた
あれは私が昔書いたやつだ
「目、かけそうか?」
「なに言ってるの。まだ書けないよ」
だってまだ願い事が叶ってない
まさか天界に連れてきておしまいだとか言わないでしょうね
不満を表情に移すとだるまも分かったようで、「全部理解した!」と自信ありげに私の腰を片腕て抱き寄せるともう片方の腕で指を鳴らした
それが合図だったように身体が急に重くなった
なに?と自身を見ると真っ白の着物に身を包んでいた
「すごい。さすが神様」
「こんなんでか?」
そういうだるまはさっきまでの少年のような格好から打って代わり、袴姿になっていた
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ならか(プロフ) - 最高すぎました(´;ω;`) (2月5日 20時) (レス) @page48 id: 72407f8835 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - きつねさん» おそまつさまです。 (12月27日 22時) (レス) id: 1af3cf4740 (このIDを非表示/違反報告)
きつね - 完結おめでとうございます。とても良かったです! (12月27日 19時) (レス) id: 4bdf75ca65 (このIDを非表示/違反報告)
ふづき(プロフ) - 今年でいちばん更新を楽しみにしてる作品です😭応援してます🙇🏻♀️ (12月23日 13時) (レス) id: 29ecdacbc9 (このIDを非表示/違反報告)
さえ(プロフ) - コメント失礼します。drmさんがずっと背後でやいやい言ってるの想像できて、ワ〜😭😭😭ってなりました!新鮮な設定で、文章も読みやすくとても読んでいて楽しかったです!応援してます🥹💖 (9月19日 2時) (レス) id: 563cbac78d (このIDを非表示/違反報告)
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