【drm】背後is指示厨 [完結]

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ぼくには幼馴染がいる
実家が近くて、割かし仲良くて、思春期入るまでは何をするにもどこへ行くにも一緒だった

ちょっとポンなところがあるけど、やると決めたら即実行する怖いもの知らずで、それでいて人に対してむちゃ優しいからそれなりに人望も厚い方だった



けどある日を境に段々と変わってきて、ぼくに対して“愛”を求めてくるようになった



正直に言っちゃうとぼくは大分昔から彼女のことが好きだったし、普通に可愛いと思っていたし甘やかしたいし少年心で意地悪したい気持ちすらあった

明らかにぼくの中で彼女は特別で、いや、これは恋愛じゃない。と意地を張るよりも如実に自分の初恋が奪われていることを自覚していた



だから彼女が求めてる“愛”がぼくと同じ“愛”であったならば、万事解決で、今頃子宝に恵まれるための努力をせっせとしていてだろう


けど、現実そう甘くはなくて彼女の求めいるものが“家族の愛”であり、“恋人の愛”ではなかった

それに気付くのは意外にも簡単で、｢ハル！｣とほとんどぼくにしか見せないとびきりの笑顔で呼んでくれるのに、そこには男女の機敏はなくぼくに求められているのは“彼氏”じゃなくてどちらかと言うと“兄”としての役目だった



事情もわかっているが故に、一生彼女の気持ちがこちらに向くことはないと分かっていたけど突き放すことが出来ず、なんなら最近はこのパートナーという関係も悪くないとすら思っている



ぼくは一生童貞のままかもしんないけど、好きな女の人が一番をぼくにしてくれてぼくが居ないと生きてけないとまで頼ってくれているのだから、それはそれで役得じゃない？と思っている



それでも男の子の心は消えないからデートに誘うし、彼女の好きなことを好きなだけさせたいと思うし、絶対にぼくから離れないように金銭的にも縛ろうかなと今画策中である




｢ただいま｣

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