【drm】背後is指示厨 [完結]

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花瓶を定位置に置き直し、少し花の位置を整える
お酒もおつまみもまだまだ途中なので、宅呑みを楽しもうとまたソファーに座り込んだ


けど真横の気配でまったく集中できない



なに。という意味で横に立っている男を見上げる




｢どーしたら、機嫌直してくれますかね
ホンマにごめん。何度もこういうこと起きてるし、腹立てるのはそりゃ当たり前なんだけど
許して貰えませんか……｣



いつもだったら私はここまで無愛想なことはしていない
彼はいつも開口一番に謝ってくれるし、理解を得るための説明も欠かさないし、こうしてご機嫌取り用の花も用意してくれる

だから私も『もういいよ。お風呂掃除で手を打ちます』と笑ってみせるのだが



今回ばかりは事情が事情だ
こんな態度撮りたいわけじゃないんだけど、真後ろにいる自称神が｢コイツっ！女との約束ほっぽいてすぐ帰ってこやんで何しとんねん！｣やらなんやらずっと文句をぶぅーたれているのだ


確かに私もそう思うけど、彼も彼なりに忙しいのである
けど私が口にした訳でもないのにまるで言霊みたいに私の気持ちが負の方に引っ張られて、目の前の男が悪いやつに見えてくるんだから恐ろしい




｢まず上から見下ろさないで。気が散る｣


｢あ、はい。｣



ハルはすぐに私の傍の床で正座をした
そして次は？と言わんばかりに視線を飛ばしてくる


特になんの要求もなかったので何を言おうか悩んでしまう




｢ハルはどこまでしてくれるの、私に｣


｢基本なんでも。欲しいものがあるなら明日にでも買ってくるし、行きたいところがあるなら今はちょっと難しいけど必ず連れて行く｣



お金も気概もあるハルは私が何を欲しても本当にやってのけてしまうのだろう

物なら……の話だけど




｢じゃお願いしたいことある｣


｢なんなりと｣


｢ラブホに行きたい｣


｢───えっーと、なんて？｣

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