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❁ ❁ ❁




「どう、変なところない?」



「もういいってェ〜。何回それ聞いてんの?」




「何回でも聞くよ!
待って最後に挨拶の練習させて」



「もー、大丈夫だって。Aのこと親?……親も知ってるよ
なんでそんなに頑張るか」





今日はついに、sellyのご家族とご飯。
という名のご挨拶である

妹さんとは面識のあるものの、sellyから親の話なんか聞いたこともない



selly曰く、親御さんは私のことを認知しており、感触も悪くなく交際には特に何も言ってはいないようだ




でもそんなの!
私の今日の一挙一動でひっくり返るかもしれない

え?何この小娘。うちのsellyにふさわしくない。しっしっ。


なぁんてこと普通に有り得る




「“はしめまして、sellyのお父様お母様。Aと言います。
sellyさんとは2年ほどお付き合いさせて頂いております。
よろしくお願いします”」




私は何度も練習してきた韓国語の挨拶を、これも何度も聞かせたsellyに再度確認をした




「はいはい、上手」



「もぉ、真剣に聞いてよぉ。
死活問題なのに……。今度sellyがうちの家に挨拶来ても助けてあげないんだから」



「お?」




電車を乗り継いで、少し歩いたところのマンション
sellyはそこで立ち止まった。ここが目的地なのだろう


うぐっと息を詰まらせて、バクつく心臓を手で押えるとその手がsellyに握られた


手を繋ぐというよりぎゅーっと握りこまれて、指先まで冷たくなっていた私の手がホロホロと解けていく




なんでもないこの優しさにときめいて、sellyの方を見上げるとsellyもこちらを見ていて目が合った

フッと軽く笑ったsellyが私のおでこを撫でてくる
せっかく巻いた前髪が台無しになっているけど文句はなかった

「自慢の彼女さん。大丈夫だ」とずるいくらい優しい声で言うもんだから私も1歩を進まざるを得ない




「……挨拶終わるまで手、繋いでて」



「どうしようかなー。Aの手、冷たいよ」



「だから温めてって言ってるのぉ!」



「うそうそ。終わっても、繋ぐのがいいじゃん」




私の緊張をほぐそうとしてくれたんだと分かるからこそ、いつもは出てくる悪態もニヤけた口元のせいで何一つ口付かなかった

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もち - ヒロインの妊娠…!今後の展開が楽しみすぎてのたうち回ります!!!! (8月17日 4時) (レス) @page38 id: b8a682172d (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ♡さん» ありがとうございます!バグではなく、私が話の話数の振り方を間違えました💦お話自体はこれで抜けは無いです!教えていただきありがとうございます🙏🏻 (7月1日 19時) (レス) id: 1af3cf4740 (このIDを非表示/違反報告)
- バグりすぎてじゃなくてバグだったら、です誤字すみません(T ^ T) (7月1日 16時) (レス) id: cd266db9f4 (このIDを非表示/違反報告)
- 21と22のお話が抜けてませんか...?私のバグりすぎてだったらすみません...! (7月1日 16時) (レス) id: cd266db9f4 (このIDを非表示/違反報告)
立花 - 一年前にこの作品に出会って、他の方の小説を見て回っていたら戻ってきました。本当かっこいい所を全部詰め込んだ小説で大好きです!!応援してます!更新頑張ってください!! (6月30日 20時) (レス) id: 67c41516d4 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:パール | 作者ホームページ:なし  
作成日時:2023年2月2日 9時

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