【CR】さよなら三角、また来て2 (ページ16)

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私はいい子だと思う。

誰にとっていい子かといえば、親とか先生とか……大概的に大人たちにとって

宿題は取りこぼしたことないし、テストでも嫌いな科目もきちんと勉強していつもそれなりの成績は取っている
家の手伝いもそこそこするし、言いつけは守る方だ

なので、私は自他ともに認める“いい子”なのである

｢……｣

特に荷物もない軽い身体で、ポケットに入れたスマホをぎゅっと握りしめながら街灯を辿っていく
習い事もしていないし、遊びに行くような友達はmondoしかいないので、夜道をひとりで歩くことが私は初めてなんだと今知った

まじ怖い。

バレたらすごい怒られるだろうなとか、警察沙汰とか大事になったらどうしようとか
不安に不安が重なって歩幅も小さい

なんで出てきたんだ。

遅めの反抗期と好奇心と少しの投げやりな気持ちで来てしまった

初めこそコンビニに行こう。そのついでにちょっとだけ公園を見たりして……なんて考えていたのに、このあんぽんたん。
財布を持ってなかった

今更戻るのもプライドが邪魔をして、仕方がないので公園に行って帰る。という謎のミッションを立てる

ほら、私ってもう高校生だし、子どもじゃないんだから夜の道くらい……しかも近所。1人で歩く経験の一つや二つないと恥ずかしいよ

心の中でひとりで喋りながら、たまに口にも出して誰もいない住宅街を進んだ

ソウルの街は明るい。
最近視力が落ち始めた私の目には1等に輝く星たちしか見えない

……上向いてる場合じゃない。