【CR】さよなら三角、また来て2 (ページ12)

今日:8 hit、昨日:41 hit、合計:35,521 hit

△ ページ12

.

昼の時間になり、私は取り敢えず1つだけお弁当を出した

深めのお弁当箱には朝から作った親子丼が入っている

｢mondo、お弁当ここ置いておくね｣

まだ机に突っ伏してるmondoに聞こえてるかはさておき、私の机にお弁当を置いておくことを伝える

そして私はもうひとつの弁当箱を持って教室を出た

そういえばsellyの教室ってどこなんだっけ。あー、聞くの忘れてたぁ

上級生のフロアに行くだけでも気が重いのに……。クラスを聞かなきゃいけないなんて

都合よく会えますように。

もちろん会えるわけもなく、比較的優しそうな人に聞いた

｢え、あの人に用があるの……？｣

頭からつま先まで見られて、そして手にあるお弁当箱を見て、そしてなんのために。と言わんばかりの視線をたっぷり受けてからsellyのクラスを教えてもらった

mondoも問題児だと思っていたけど、sellyには到底かなわなそうだ

教えてもらったクラスに行って、たまたま教室をでてきた人にsellyを呼んでもらうように頼む
ちょろっと見たけど、じっくり探すと視線を感じるからね……

｢selly？あー、彼は滅多に学校来ないから会うのは難しいよ
この前1回だけ来てたけど……｣

｢今日も来てないんですか……？｣

｢来てないね。なんか約束でもしてたの？でも彼、テストも来ないし会うのは難しいと思うけど｣

｢そうなんですね｣

としか言いようがなかった
お弁当欲しいって言ったのはそっちなのに

腹に据えるものを抱えながら、でも話を聞いてくれたこの先輩には関係のないことなので笑顔でお礼を言って大股で自教室に帰った

｢何してたんだよ｣

スプーンを手に興味なさげにmondoが聞いてくる。親子丼は半分以上減っていた

どこまで言おうか考える。だってほら、mondo……sellyのことあまり好きじゃなさそうだから

｢お弁当揚げる約束してた人が学校休んでたみたいでさ｣

鋭いmondoだからこうして濁している時点でバレてるのかもしれないけど、虚偽の証言はしてない

いつぞやと同じようにまた空き部屋に連行されても嫌なので、さっさと席に座って自分用の弁当を広げた

｢……余った？｣

｢何が？｣

｢……｣

なにその、アホなのか？みたいな目
口数少ないmondoが悪いんじゃん！