【selly】道を間違えずに進めたら良かったのに。2

3-11 ページ8

.






｢終わったよ、A｣



｢ものすんごく、今sellyさんが嫌いです｣



｢あ、嫌いの？じゃ離れろ｣




｢やだ。無理。心臓潰れた。｣






でもいつまでもこんな体制でいるのは辛いので、さすがにsellyの腰は解放してあげた


起き上がってすぐsellyの顔を見たけどすまし顔である


あれ怖くなかったの？


感覚麻痺だよ、それは





互いに黙りのまま見つめ合ってたらsellyがあくびをした

いや待て。
それだけは許さない





｢オレ寝る｣



｢絶対、ダメ｣



｢へ……？なんでダメか
明日用事があるんだよ｣



｢本当にダメ｣




逃がさない意思表示にsellyの右手首を掴む

本当に頼むから、こんな状況で1人にしないで欲しい
あのバケモンがこの家に襲ってきたらどうすんの！来ないってわかってでも怖いじゃんか




首を横に振って必死にダメアピールをする




｢もう床でいいから。お願いだから同じ部屋で寝て｣



｢これそんなに怖いの｣



｢怖いよ！｣




｢あ、寝れないの？｣




｢あー、sellyのバカ。あんぽんたん。悪魔。｣



｢じゃ、一人で寝て｣



｢嘘です嘘です。ジョークジョーク
一緒に寝よう下さい。｣





この映画のチョイスはsellyが見たくて選んだのか、私への嫌がらせで選んだのかは知らないけど

ナンセンスにも程がある


これは責任を取って然るべきだ





｢A、女の子けど……オレ男で、同じのところで……ダメじゃないの？｣




｢これは特例です。例外です。
今契約しましょう。約束。寝てる間相手には触りませんって｣



｢あー、約束すればいいの、これ
日本人……変な……だね｣



｢本当はダメだけど……、でも私も別に好きな人がいる訳じゃないから
あ、でもsellyはいる？彼女とか好きな人とか｣



｢なんでそれを聞くか。分かるだろ｣



｢おけ、じゃぁ寝よう。異論は認めない。これ以外の道はない｣



｢いやダメだ｣





まるで私が聞き分けのない子供のように、sellyは眉を下げた
おもむろに持ち上がったsellyの腕が私の顔を素通りまだほんのりと湿った髪をひと束すくう


言ってることとやってる事が違うと私は思うけど……





｢それいけないことだ｣





｢わかったよ……｣





完全な拒否。
完璧な拒絶。



それでもsellyの指はくるくると私の髪を指に巻き付け、解いてはまた巻き付けと何がしたいのか分からない





私にはそんなことよりもこの怖い夜を1人でやり過ごさなくてはならないことが決定したのが辛い






｢Aは本当……バカだ｣



｢シンプルな悪口が1番傷つきますよぉー｣

閑話[触らぬ神に祟りなし]→←3-10

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す