【selly】道を間違えずに進めたら良かったのに。2

4-13 ページ23

.





sellyの1歩後ろ
床をくまなく見渡しながら私たちは脱衣所まで来た

私が騒ぎ立てた後が見ただけでわかる




｢どこぉ……｣




｢分からないよ……。お風呂の方にいたんだけど｣




sellyがティッシュを何枚か取って、ついでに私の部屋着も私に投げてきた


着ろということだろう




｢私じゃ、着てくるから。処理……えっと殺しておいてね｣



｢はいはい｣





どこで着替えるか迷ったけど、寝室が近いのでそっちに入って着替えた
ノーパン、タオル一枚でsellyのもとに逃げてしまったのが今更ながら恥ずかしい


いや、でも見えて困るものは全て隠していたし、緊急事態だったんだ




心の隅でsellyに謝りつつ私は部屋を出た





｢捕まえられた？｣



｢うん。殺した｣



｢ありがとっ！｣




sellyは手に持っているティッシュをゴミ箱に捨て、手を洗っている

いや本当に助かった


でも配信していたのに申し訳ない
やっていたゲームは大丈夫だっただろうか



こっそりと横目でsellyの顔を伺うけど、なんと思ってないというか、いつも通りだ





｢ごめんなさい。急に呼び出して｣



｢ごめんなさいか……別にいいけど｣



｢超助かりました。本当にごめん、ゲーム｣



｢あぁ、気にしてるの？大丈夫だ、トワとmondoから｣



あ、トワさん

mondoさんはもちろん存じてるけど、トワさんというのは仲のいい日本のVTuberらしい



トワさんとsellyの絡みは私もキュンキュンしてしまう



｢後で配信見る、お風呂入ってきます。｣



｢いや……ぇ、なんで見るか｣





sellyが小声でそんなことを言ったけど、無視して私はお風呂に向かった

あの虫はもういないようなのでこれで安心してすませられるもいうものだ

閑話[放送事故]→←4-12

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す