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雪道を慎重に進みながらついに赤の国へと出発した
もう既に荷馬車などの補給物資を詰んだもの達は前の日に出て、休憩地点で待っているんだとか
これが長旅の心得というやつだね
｢A、これを｣
街を出てからはカーテンを開けていいと言われたので雪道を云々と楽しんでいたわけなんだけど、まふまふ様に呼ばれそちらを向くと手の前に頑丈そうな箱が置かれた
｢これはなんでしょう……｣
またプレゼントだろうか……
さすがに何でもかんでも貰っていると心苦しいさばかりが募るんだけども…
｢贈り物じゃないですよ。返却です｣
｢……開けてみても？｣
頷くまふまふ様を確認してから私は箱を開けた
中には小瓶が一つだけ入っていて、そして中身は真っ赤な液体だった
あぁ、予備でとった私の血か……
……って、これある意味超危険物なんじゃ…
これがあったら獣魔を呼び寄せることが出来てしまうし、もし人が多いところでぶちまけようものなら大惨事だ
想像しただけで足が竦んで私は蓋を元に戻した
｢処分して貰ってよかったのに……なんなら白の国である今のうちにその辺に捨てましょう｣
｢それこそ危ないですよ。誰かが悪意を持って回収でもしたら大変です｣
｢私、これを安全に守りきる自信がありません｣
｢なにかの役に経つかもしれません。元々Aの大切な血なので持っていて下さい｣
こんなウイルスのようなものを使う時なんか来ない
脊髄でそう思ってから、私は思い直した。
あまりにひょんな話で忘れていたけど、私は獣魔が操れるのである
どの程度かは知らないけど、自害できるほどには扱えるはずだ
それなら役に立つこともあるかもしれない……
でも…
｢それこそ不要です。私はここに大量の血を持ってるんですから｣
そう言って両手を広げた
わざわざガラス瓶なんて落としただけでも割れてしまうものに入れずとも、体という入れ物に山ほど入っている
私にこそ不必要な代物だ…これは
｢……だから言ってるんですよ。
Aはまたそのナイフで自分を躊躇いなく切るから｣
｢まだ切ったことありませんよぉ｣
侵害だと抗議したけど、あれは同じような事でした。と間髪入れずに返された
私だって痛いの嫌いだし、怖いのも嫌なのでそんなほいほいナイフなんか使わない
｢A…お願いです。僕のためと思って｣
｢……ずるです、それ｣
自分が弱い私は呆気なくまふまふ様に折れてしまった
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ハク - コメント失礼します。いつも、楽しく読ませていただいています！勉強にもなるのでとても気に入っている作品です。これからも、無理しないよう頑張ってください！ (2021年9月14日 22時) (
レス) id: 1f17dfabe8 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - ひよさん» いつもありがとうございます。わぁそれは素敵ですね！是非とも書かせていただきますっ！！ (2021年9月12日 23時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - りょくちゃさん» そうなんです、いつの間にやら10を超え、20に向けて歩き出してしまいました笑、赤の国編は短くまとめる予定なので濃縮されてますがお楽しみくださいっ (2021年9月12日 23時) (レス) id: 3af5a17f02 (このIDを非表示/違反報告)
ひよ(プロフ) - いつも楽しく読んでます♪もしよければな〇せさんとお出かけした時のなる〇さんの心境を閑話で読みたいです！何卒… (2021年9月11日 23時) (レス) id: 4b44556f18 (このIDを非表示/違反報告)
りょくちゃ(プロフ) - もう11ですか、、(出遅れた)赤の国のことは密かに気になって楽しみにしてたのでうれしいです！更新がんばってください(^^) (2021年9月8日 19時) (レス) id: f217387575 (このIDを非表示/違反報告)
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