261 ページ11
.
｢楽しい話をする前にやるべきことを終わらせてもいいですか？｣
｢Aさんは本当に正直ですね
普通はいきなり本題には入らないんですよ｣
そんなの分かってるけど
でも緊張しっぱなしで世間話なんかに頭を回せない
さっさと面倒なことを終わらせる
｢手紙でも先にお伝えしましたが、例のチョコレートのことなのです。｣
｢権利を白の国に売ってくれるという話ですね｣
｢はい。
こちらが差し出せるのはチョコレートのレシピ、販売に関する全ての権利。
どこに流すも、隣の赤の国からカカオを輸入するもそちらにすべて委託します｣
｢そしてこちらが差し出すのは？｣
｢発案者が私であるということを保持していただきたい｣
｢金品ではなく、名誉……ですか｣
これが国が出した決定だ
目先のお金ではなく、今後のために1番必要なもの
それは何もない私の後ろ盾だ
まだチョコレートは世に出していないので、白の国が本気で潰しにかかって来てしまったら黒の国のものだったという印がなくなってしまう
お金も欲しいけどそれだけは困るのだ
これといったものがない黒の国にとってまたとない発案
でもその案を扱いきれない
苦肉の策がこれだ
｢それは悪い条件では無いですね。
確認ですが、黒の国の発案。ではなくAさんがということでいいんですね｣
｢はい｣
まふまふ様の赤い目がテーブルに落ちた
そこにあるのは特殊な獣魔の皮で作られた、破れない消えない燃えないの三拍子
ウルトラハイパー高級な紙だ
私がさっき言ったことと同じような文字が並んでいる
｢それじゃ、名誉も権利も僕の物にしてしまいましょうか｣
｢……それは…どういう｣
この条件じゃダメなの？
こんなに
どんな酷い条件が来るのかと身構えているとまふまふ様はいたずらっ子のように笑った
｢だってAさんは僕の伴侶になるんですから、Aさんが持つ名誉も僕の持つ権利も共有です｣
｢な…るほど……｣
そ、そういうことになるの？
なる…のかな
でもそれはこの4年の学園生活を終えたあと結婚したらの話だ
それまでは権利と名誉は別々である
でも何故か嬉しそうなまふまふ様に口出しをする意味を見いだせず黙った
｢これは国に持って帰って国王にサインを貰ってきますね。｣
｢ありがとうございます｣
なんだかあっさり終わってしまった……
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 435人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
水無瀬 - なるほど。そうなんですか！わざわざ説明ありがとうございます!! (2021年6月20日 14時) (
レス) id: 21dd47dd78 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 水無瀬さん» 今晩、全て精査しきちんとバグらないように治しますので、少々お待ちください。 (2021年6月18日 17時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - 水無瀬さん» いきなり報告もなしに、カギをかけてしまいすみません。占ツクがわなのか、私の更新の仕方がいけなかったのか、話数と内容の順番がめちゃくちゃになってしまい、何度やっても正常にならないので、1度時間がある時にきちんと直そうと思い一旦鍵をかけてます。 (2021年6月18日 17時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
水無瀬 - パールさん初めまして！私はパールさんの作品が大好きで更新を楽しみにしているのですが、婚約者を幸せにしたい。�擦離僖好錙璽匹魘気┐凸磴┐泙垢任靴腓Δ�？ (2021年6月18日 17時) (レス) id: 21dd47dd78 (このIDを非表示/違反報告)
まっちゃ(プロフ) - 表示されました！ご迷惑をおかけしました‥‥ パールさんねむさん有り難うございました！お手数お掛けしてすみませんでしたm(._.)m (2021年6月5日 2時) (レス) id: 064c02c015 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
