203 ページ3
.
｢これはこれは、ようこそいらっしゃいました。
急なご来光でしたので、何も用意出来ませぬがどうぞごゆるりとしていってください｣
｢は───｣
｢A様｣
｢ぁ…。｣
どうやら喋らないというのは想像以上に難しいらしい
だって、貴族よりこの人の方が私にとっては身近なんだし
私に話しかけているのに無視とか
という子供の言い訳を置いて、私はケープを脱いだ
｢これは珍しい。漆黒の髪とな……｣
｢ご老人。あまりその口を開かないでいただこう。
この方はそなたが考える何倍も高貴な方なのだ。
拝顔するだけでも光栄と思え｣
｢これは失礼しました、お貴族様。
部屋を既に用意させております。どうぞご自由にお使い下さい｣
｢A様、参りましょう｣
チターゼ様とそう様の距離が異様に近い
そんなに警戒する相手なんだろうか？
本当にどこにでも居そうなおじいさんなのに……
裕福そうではあるけど
2階へと上がり木製のドアをくぐるとこじんまりとした部屋が広がっていた
ベットは1人が寝れる広さで、目新しい
平民の時は家族で大きなベットひとつを分けていたし、貴族になってからは5人は寝れそうな大きなベットを1人で使っていたので、このサイズは初めてだ
｢寝室ですか、これは。｣
｢チターゼ様、こちらは平民の一般的な部屋でございます。これでもかなり綺麗で広い方です｣
｢こ、これが部屋……｣
チターゼ様の驚きをミラがカバーする
チターゼ様とそう様はありえないものを見るような顔をしていて、こっちが逆に驚いてしまう
生粋の貴族って平民のことなにも知らないのかな
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 524人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「歌い手」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
パール(プロフ) - つむぐさん» そんな、他のものも読んで頂けてるなんて、恥ずかしさと嬉しさがミックスです。頑張って更新していきます！コメントありがとうございます！ (2021年5月22日 17時) (
レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - りりさん» とても励みになります！ありがとうございます！ (2021年5月20日 18時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
つむぐ - 初めてコメントさせてもらいます！ パールさんの作品はどれも読み応えがあって、毎回感激してます！！！^ ^ ほんとにほんとに面白いです 応援してます！ (2021年5月19日 15時) (レス) id: b084fb2816 (このIDを非表示/違反報告)
りり - すてきです！更新待っていました〜！ (2021年5月14日 1時) (レス) id: 5430109af4 (このIDを非表示/違反報告)
パール(プロフ) - おくらさん» うわぁぁ、ありがとうございます！過保護の方にも頂いてしまい、嬉しい限りです。歌い手さん、これからたくさん頑張ってもらいましょう笑 (2021年4月29日 3時) (レス) id: ced046ff92 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
