過 保 護 の パパ 7【まふまふ】

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ついに……この日が来た。




夕飯を食べ終わるや否や、パパが話をしようと言ってきたのだ




パパがなんて答えを出したのか分からないけど、昨日の夜、パパが一ノ瀬さんの所へ行って相談したのは知ってる




だって一ノ瀬さんから根掘り葉掘り聞かれたから
聞くだけ聞いてなんにも教えてくれなかったけども




｢お茶とか……出す？｣


｢いいよ、別に。早くこっちに座って｣




既にソファーに座っていたパパがトントンっと椅子を叩いた


重たい足取りで私もそこまで行って、微妙な距離を開けて座る




テレビに反射するパパを見ていられなくて、足元に寝転ぶいろはを持ち上げた





｢僕がどんなに反対しても、Aの意見は変わらない……？｣



｢うん……変わらない｣




静かな部屋に、食洗機の稼働している音とウォーターサーバーが水を汲み上げる音が響いた




怖くてパパの顔が見れない。

もしかしたらパパはこっちを見ているかもしれないのに……私は卑怯者だ






｢AにはAなりの考えがあるんだろうし
そしてそれは僕には言えないことなんでしょ？｣



｢………。｣




｢どうしても俺と離れたいってことなんだろ？｣




｢ち………ぅ。……あぁ。…そうだね｣




にゃぁーっと甲高い声を上げていろはが私の足から逃げていった


こんな時に空気を読まなくてもいいのに……手持ち無沙汰になってしまって、空いた手でスカートを握りこんだ




なんで、どうしてこんなに上手くいかないのだろう。


素直な気持ちを喋って解決するなら、私だってそうしたいのに





なんで2人で望まない選択を選ばなくちゃいけないのだろう






｢分かった。一人暮らししな
でも僕がお金を出すし、出す代わりに僕が場所を決める
いいね？｣




｢ありがとうございます…｣




なんにも嬉しくない交渉成立だった。

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